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【ドラマの女王】実は草食系男子ハウツードラマ? テーマ活かせなかった「プロポーズ兄弟」

フジテレビ系列で2月21日~24日まで4夜連続で放送された「プロポーズ兄弟~生まれ順別 男が結婚する方法~」は非常に惜しいドラマだった。初めっ子、間っ子、末っ子、一人っ子と生まれた順で表れる性格の特徴から、どのようにプロポーズしていくのかが描かれている。少し前に流行した「血液型別取扱説明書」の類似版のようなものである。その頃に同じくフジテレビ系列で「血液型別オンナが結婚する方法」というドラマが放送された。今回はその男性版とも言えるだろう。

ドラマは山田家3兄弟とそのいとこのそれぞれの結婚式で、二人の出会いから結婚までをスライドショーで振り返るところから始まる。観賞後、親族のテーブルで両親が次の主役の特徴を言いたい放題言って次に繋げるという基本的な流れで進められた。
4人の主な特徴は、初めっ子・山田一郎(佐藤隆太)は面倒見が良く、調和を大事にし、自分の気持ちがなかなか言えず、恋愛においては「まじめすぎてつまらない」などと振られることが多い。間っ子・二郎(小池徹平)は幼い頃から放っておかれることが多く、自信が持てず、大勝負はしないで無難な方を選ぶため「意気地なし」と振られる。末っ子・三郎(中村蒼)は甘え上手で自分勝手でわがまま。思ったことはすぐ口にし、相手に甘え過ぎて振られる。一人っ子・田中和男(伊藤淳史)は幼い頃から争う相手がいないため集団行動が苦手で空気が読めない。一人でいても平気なため振られることが多い。と、それぞれそんな自分と向き合い、好きになった人のため変わろうと一念発起してプロポーズするのだが、どうもしっくりこなかった。

あまりにも「生まれ順」を強調されたため、その特徴を意識して見ていたのだが、よくよく考えてみるとこのドラマは草食系男子が主役のドラマだったのではないかと思えてきた。確かに生まれ順の特徴は出ていたと思うのだが、4人とも基本的に消極的で周囲と波風立てないという見事な草食系男子なのだ。もう少し熱くて暴走しがちなタイプがいても良かったのではないだろうか。「ひとつ屋根の下」のあんちゃんとまでは言わないが、兄弟にそういった大きな違いがなかったがために、どれも大差なく見えてしまった。むしろ性格面に関しては女性陣(、佐々木希、本仮屋ユイカ、ベッキー)の方が個性豊かでアクセントとなっていた。

このドラマのホームページを見てみると、男性に対しては「応援ドラマ」女性には「共感ハウツードラマとして」と唱えている。それならば世の肉食系女子たちに捧ぐ、草食系男子攻略ドラマと唱えてしまった方が、ずっと効果的で共感してもらえたのではないだろうか。せっかく男性陣に演技派俳優4人を迎えたのだから、もう少し魅力的なものにして欲しかった。

とはいっても、個人的には小池徹平が女装してAKB48の「ヘビーローテーション」を歌っている姿が、あまりにも可愛らしかったのでよしとしたいところではある。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)