ガン闘病から復帰した歌手の桑田佳祐が3月19日放送のラジオ番組で、敬愛する先輩ミュージシャン吉田拓郎との感動エピソードを語った。
3月19日のラジオ「桑田佳祐のやさしい夜遊び」は前日18日の収録と断りながら、桑田佳祐ならではの選曲で進行された。
実はこの放送に先立って『ネタ掲示板』でリスナーから『ビートルズを聴こう』としてリクエストを集めていたのだ。しかし、震災後からその内容が「桑田佳祐の歌を聞きたい」というものが多く、どういうものになるかと期待された。
しかし、フタを開けるとまったく予想を裏切り桑田佳祐テイストの選曲となったのだ。それはナット・キング・コールやビーチ・ボーイズ、カーペンターズ、バート・バカラック、そしてフーテンの寅さん、都はるみにザ・ピーナッツ。1曲だけビートルズの「We Can Work It Out (恋を抱きしめよう)」が「一番おとどけしたい」として紹介された。
そんな中で桑田佳祐の貴重なエピソードが紹介された。彼はフォークソングのプリンスといわれた吉田拓郎に多大な影響を受けており、サザンオールスターズの楽曲にも「吉田拓郎の唄」があるほどだ。
25年ほど前のことだ。吉田拓郎宅へ招かれた桑田佳祐は、あろうことか貴重な『ビートルズのピクチャーレコード』を無断で持ち帰ったのだ。桑田は「それはいけません! 例え私と拓郎さんのことといえども」としながらその事実を明かした。だが、後悔した彼はエレキギターの名品フェンダーテレキャスターの『ジョージハリスンモデル』とともに、そのピクチャーレコードを吉田拓郎に返して過去の罪を詫びた。
吉田拓郎はそのギターをCDのジャケット写真にも使ってくれたという。しかしレコードについては「君とのいい思い出にしよう」と送り返してきたというのだ。この日紹介された楽曲の1曲は吉田拓郎の「今日までそして明日から」だった。
日本のフォーク時代を代表する吉田拓郎と現在のロック、J-POP界を代表する桑田佳祐のつながりに音楽の歴史を感じたエピソードだった。
この日、桑田佳祐はサザンオールスターズの『希望の轍』をギター弾き語りで披露すると、最後に「日本の国民のみなさんは素敵で優しい人たちだと思う。この国に生まれて良かったなと思います」と今この時こそみんなの力を信じると伝えた。
おあずけ状態の「ビートルズリクエスト特集」は次回に向けてまたリクエストを募集したが、今の状態ではやはり桑田佳祐の楽曲にリクエストが寄せられそうだ。果たしてどう対応するのだろうか?
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)