エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「頑張りすぎて潰れるな」岡村隆史、高倉健に三度救われていた。

昨年11月に復帰したナインティナインの岡村隆史が、休養中に俳優の高倉健から激励されていたことを年末のラジオ番組で話した。なぜ高倉健が芸人の岡村を気にかけたのか? 実は岡村隆史が“健さん”に助けられたのはこれで三度目なのだ。

昨年12月9日に放送されたラジオ「ナインティナインのオールナイトニッポン」の中で復帰した岡村隆史が、高倉健から携帯電話の留守番メッセージが入っていたことを語った。
彼はその具体的な内容については伏せたが、療養する岡村を激励する内容で「電話だけでは伝わらないから、本と手紙を届ける」というものだった。
後日、高倉健から届いた本を読んだ岡村は「鳥肌が立った」とその内容の深さを語っていた。

岡村隆史と高倉健とのつながりは1999年の日本アカデミー賞の会場から始まったのである。高倉健は「鉄道員(ぽっぽや)」で最優秀主演男優賞を受賞しており、岡村隆史も主演した「無問題(モウマンタイ)」で香港映画ながら話題賞 作品部門を受賞したのである。
会場に同席した相方の矢部浩之の話によると、岡村はその時に壇上で司会者から「どういう俳優さんになりたいですか?」と質問されたという。岡村は芸人らしくウケを狙ったのだろう「高倉健さんみたいになりたいです」と答えたのだ。彼としても大先輩の名前を出して会場がどう反応するかの賭けだった。
すると賭けは見事にはずれて会場は静まり返って冷たい風が吹いたように感じられた。その時だ、高倉健だけがスッと立ち上がるとスタンディングオベーションを贈ったのである。「フワっと暖かい空気になった」と岡村が振り返ると、矢部は「高倉健さんにスベったのを助けていただいた」と語った。

それから5年ほどが経過した2004年のことだ。「ナイナイ岡村さん宅空き巣 窃盗未遂で捜査」(2004/04/06共同通信)の報道が流れた。事件は少し前の3月29日のことだが岡村が住む、東京都港区高輪のマンション6階の自宅に空き巣が入ったのだ。
報道が遅れたのは岡村が「被害が無かったので大げさにしたくなかった」と伏せていたからである。後日岡村はラジオ番組で事件の詳細を話していた。彼は現金10万円程度を部屋に保管していたがそれは無事だったのだ。ただひとつ、彼は異常に気がついたという。
デスクの引き出しに鍵をつけっぱなしにしていたが、その引き出しがわざわざロックしてあったのだ。不思議に思って岡村が引き出しの中を確認してみると、保管していた手紙が取られずに入っていた。実は「高倉健さんからのお手紙を入れてあったんですよ」と彼は明かした。
この時岡村隆史は「きっと空き巣犯は、引き出しを開けてこの手紙を読んだのだろう」と考えた。手紙の内容は高倉健が岡村に対して書いた素晴らしい内容で、最後には『高倉健』と署名もある。犯人はそれ見て「『あ! 健さん』と感じて、何も取らずに出て行ったんじゃないか」と岡村は推理した。
つまり、空き巣犯は部屋を物色し終わらないうちに手紙を読んで反省して去っていったというのだ。

岡村隆史が明かしたその健さんの手紙には「頑張るのはいいが、頑張りすぎて潰れるな。例え収入が減っても、自分が本当にやりたい仕事をやることが大切だ。お金は後からついてくるのだから…」という多忙な岡村を気遣うものだった。
繰り返しになるがこの話は2004年のことである。そして2010年岡村隆史が病気療養に入った際に、やはり高倉健からメッセージと手紙と本が届けられたことにつながるのだ。
岡村はその内容は語らなかったが、空き巣が読んだであろう手紙の続編的な主旨だったのではないだろうか。
これが1999年に出会ってから2010年までの間で健さんに三度助けられた岡村隆史のエピソードである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)