writer : techinsight

【ドラマの女王】”陣内、高橋(克)、筧”でコメディにした方が面白い!?『交渉人』

今回の【ドラマの女王】は、米倉涼子主演『交渉人』(テレビ朝日系)。『相棒』(水谷豊主演)、『アンタッチャブル』(仲間由紀恵主演)、『その男副署長』(船越英一郎主演)と、土曜ワイドも含めて今クールテレ朝は『マイガール』を除いて全部のドラマが事件モノ。よくもまあ日本中にこれだけの刑事事件のネタがあるなあと感心してしまう。さて、来年映画の公開を控えて、ますます人気シリーズに拍車がかかった『交渉人』。見どころは米倉涼子の俊敏な演技でなくて、“スレンダーなおみ足”だったりして。

「サマー・クロース」と名乗る差出人から宅配便で拳銃が送り届けられるという事件が連続して発生。その拳銃で、解雇された雇い主に発砲した男や、上司を撃ち殺して自らも自殺した者、幼い少女の暴発事故が起こっていた。
これらの犯罪の犯人たちが要求する難題に立ち向かうのは、交渉人の宇佐木玲子(米倉涼子)たちSITのメンバー。わざわざ事件をややこしくしながらも解決にあたっている。
「サマー・クロース」に強奪された拳銃27丁の行方を追うよう捜査一課長・弓坂(浅野ゆう子)から任された桐沢(陣内孝則)、木崎(筧利夫)は、玲子や片山(高橋克実)らと共に捜査を開始する。そこに拳銃を手に入れた引きこもりの少年・弘樹(立花裕大)からの無理難題をつきつけられて・・・・・。

『シバトラ』にあったような「若者の“闇”を暴く事件」を追いつめる玲子。スリリングさを期待させる展開や、玲子と連続殺人犯の若き死刑囚・恭介(城田優)とのやりとりはさながら「羊達の沈黙」のようだが、残念ながら”安っぽい”。アメリカの映画やドラマと比較しては酷だが、米倉がボーっと犯人と交渉しているだけでスピード感も無く、一刻を争う場面でさえも緊張しない。

ダラダラ交渉していてもはじまらないので、とうとう少年の部屋に突入してしまった機動隊。そして部屋に入った玲子、少年、刑事の3人の拳銃が“ジャン”と向き合うおかしな演出。焦った少年は人の良い刑事・甘利(高岡蒼甫)を撃ち殺してしまう。そして玲子が少年を撃ち・・・・・。

事件解決後に白服の恭介に玲子が「ここでまたひとつ少年の孤独がナンダカンダ・・・・・・。」と背中で言い立ち去る。それを見送るピノコちゃんみたいなおどけたポーズを取る城田。このドラマ。本当に人気シリーズなのだろうか?

“ダジャレ封印” の陣内孝則や、浅見光彦ならぬ “もう一人のエロ男爵”筧利夫の暗い演技、高級果物屋からメロンでも貰っているのか、何かにつけて「線引き、線引き」と言っている高橋克実もパッとしない。この3人でコメディやったら死ぬほど面白いドラマができるのに。

意外と上手かった少年役の立花裕大(17歳)は、実は陣内孝則の映画『スマイル 聖夜の奇跡』(2007)にでてた子。将来有望な美少年ぶりがちょっとだけ目の保養になった。この先登場する若い犯罪者役の役者青田刈りが、米倉のナイスバディと共にドラマの見どころか。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)