今回の【ドラマの女王】は、24時間テレビ 「愛は地球を救う」のスペシャルドラマ『にぃにのことを忘れないで -脳腫瘍と闘った8年間- 』。若くして脳腫瘍を発病し、23歳で亡くなった青年とそれを支える家族の愛のドラマ。司会進行役と同じく、いつのまにやらジャニーズの人気者が主演するようになってしまった24時間テレビ毎年恒例のドラマ枠であるが、重い内容ゆえにイケメンは必須。それは許せても、許せない“ある出演者の”寒~いダジャレが連発した。
物理が得意で東大を目指し頑張っていた15歳の少年・川井恵介(錦戸亮)は、ある日、めまいを起こして倒れ、病院で脳腫瘍と診断された。その日から彼の苦しい治療が始まり、その後8年間様々な苦難を乗り越え、いつも明るく励ましてくれる父・陽一(陣内孝則)や、祖母のチヨ(白川由美)、4歳下の弟・優治(山田涼介)、そして最愛の母親・香澄(黒木瞳)に見守られながら短い生涯を精一杯生きる。
病魔に襲われ、青春を謳歌できずに入退院を繰り返す恵介は、「なぜ自分が?」と人生を悲観し、家族につらくあたって、みんなをキズつけてしまう。しかし、あるきっかけで母から「(こんな恵介のままで)死んでどうするの」と諭され、自分は何のために生まれてきたのか?という事と、人を愛する事に気づく。
脳腫瘍で息子さんを失った、川上ますみさん著「にぃにのことを忘れないで―脳腫瘍と闘った8年間―」を原作とした感動ドラマ。ここ2、3年で一番の傑作だと思う。錦戸の演技も上手いし、黒木演じる母親は優しくて強い。少々“がさつ”な看護士・詩織(田中麗奈)はさわやかで、恵介の初恋の人にピッタリ。詩織に「スキ」と言い出せないあたり。文句ナシに錦戸、カッコイイのである。
ただ一つ気になるのが、いつも明るく“ダジャレ”で恵介や家族を笑わせる父を演じた陣内孝則。「まってました!」とばかりに陣内流寒~いダジャレが炸裂。水を持って「うぉたー(water)うぉたーするなよ。」、ポットもって「ああ、ポット(ほっと)した」はまだしも、「“シャツ黄緑”って“サツキミドリ”に似ていない?」とか勝手にアドリブをかましている。もう20年言ってる「沢口靖子は川口ジャスコに聞こえるね!」をいつ言い出すのかと思ったら、言わずに終わる。(きっとカットされたのだろう。)
ドラマを見ながら、本当の主人公のお父上が、「私はあんな“寒いダジャレを言う父ちゃん”じゃないぞ!」と怒ってやしないだろうか、気になる。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)