今回の【ドラマの女王】は、大沢たかお主演「日曜劇場『JIN-仁-』」(TBS系)。漫画雑誌『スーパージャンプ』で連載されている村上もとかによる原作の人気作品のドラマ化。『救命病棟24時』など、このところ季節ごとに必ず1本は投入される医療モノのテイストと江戸時代にタイムスリップという歴史SF要素を盛り込んだ奇想天外かつ大真面目なドラマの主人公は、今年坂本龍馬に扮してTBSを宣伝していた“味のうすい”アノ人。
現代から幕末の日本にタイムスリップした脳外科医・南方仁が、過去の人間の運命を変えていることを自覚しつつも、20世紀末の医療技術を用いて江戸の人々を救おうと奮闘する姿を描いた『JIN-仁-』。歴史ロマンを盛り込み、抗生物質や近代的な医療器具の無い時代の外科医療のあり方をうまく考えた作品として漫画ファンにはよく知られているのだが、同時に「タイムスリップした事を主人公が冷静に捉えすぎ!」だとか「あの状況であの手術はありえない。」など、つっこみ要素も満載な作品である事も確か。しかし、2次元の漫画から3次元のドラマに移ると、不思議とそういう違和感を感じない。
『こち亀』よかマシだが、やっぱり漫画と似てない南方仁を演じる大沢たかお。しかし、意外にいい味。近年は映画や舞台に多く出演し、テレビドラマの出演が少なかったから顔を見飽きてない分、マジメで爽やかな大沢の仁に興味が持てる。
第1回スペシャル版のお話は、頭を打って気絶した南方仁(大沢たかお)が気がつくと、武士同士の切りあい真っ最中の江戸時代へタイムスリップ。大ケガした橘恭太郎 (小出恵介)を助けるべく、恭太郎の母・栄(麻生祐未)と、妹・咲(綾瀬はるか)のいる屋敷で外科手術を試みる仁なのだが・・・・。今年春、TBS系で番組PRのCMで大沢が演じていた坂本龍馬を『臨場』(テレビ朝日系)の内野聖陽が好演。来年はNHK大河ドラマで福山雅治が演じるが、内野の龍馬の方がイメージに近い気がする。
仁の恋人・未来と、花魁・野風の二役中谷美紀や、爽やかヒロイン咲役の天然女優・綾瀬はるか、厳しい母役の麻生祐未など、物語を彩る女優陣も豪華だ。
お吸い物的な大沢と幕の内弁当的な女性キャスト。意外なバランスの良さで、期待が持てるのである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)