先月終了した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBS系)の主演である香取慎吾が、シーズン2シーズン3、Theムービーまで続編を期待しているという。今回の【ドラマの女王】は、夏ドラ・おまけ編。今から40数年前にテレビドラマで放送され、その後映画になり、いまもなお愛され続ける“あの”名作について考えてみた。『こち亀』の作者・秋本治先生も大好きという、アノ映画のアノ大人気キャラクター。実はドラマで一度“あの世”に行っている。
記者はなぜこのドラマの視聴率が低かったのか分からない程お気に入りだった『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。確かにマンガ通りのキャラクターでは無いが、それはそれで楽しいドラマだった。テレビ東京『モヤモヤサマーズ』でも徘徊された葛飾区亀有はなんとも面白い町で、実際に濃いキャラクターの住民が多い。そしてこの町は伝説の映画『男はつらいよ』の舞台ともとても近いのであった。
知らない人も多いと思うが、渥美清主演の人気シリーズ映画『男はつらいよ』は、はじめはフジテレビ系で放送された連続ドラマだった。ドラマでは、寅次郎こそ渥美清だったが、映画では倍賞千恵子で定着した妹・さくらは長山藍子だったし、キャストも映画とぜんぜん違っていた。ストーリーに至ってはフーテンのトラが珍道中を巻き起こし、最後はハブに噛まれて死んでしまうという暗くておかしな結末だった。
ドラマの『男はつらいよ』は、『こち亀』よろしくスタート時の視聴率こそ苦戦したが、回を重ねるごとに当時の人気番組になった。
その後、映画として生まれ変わった『男はつらいよ』についてはみなさん知ってのとおり。綿密に練り尽くされた脚本と、寅さん、マドンナ、その他魅力たっぷりのキャスト、昭和のご当地の美しい風景を映像に残した『男はつらいよ』は、今や日本を代表する映画であり、世代を超えて多くの人に愛されている。
『男はつらいよ』の主な舞台は、トラさんの営業先である日本の各所と、かならず帰ってくる葛飾柴又の団子屋。ここは、『こち亀』の舞台である亀有と程ちかい所にある。『こち亀』の原作者・秋本治氏は、多分両さんにトラさんを重ねた部分もあるだろう。
期待をもって臨んだ初回は12%、第2話は11%、その後ヒトケタ台と、なんとも低空飛行な視聴率に終わってしまった『こち亀』。木村拓哉の投入で最終回はなんとか10%をクリアしたものの、こども達だのみの夏休みにてこの結果はやっぱり力不足。ガチャガチャした演出は少し排除して、本家の『男はつらいよ』みたいな「人情味」をもっと重視すれば「両さん」が「寅さん」になる日もちかい?しっかり時間をとって丁寧に撮影すれば『こち亀THE・ムービー』も悪くないのではないか。
ガチャガチャしなければ、原作の『こち亀』と違ってしまうけど・・・・・。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)