今回の【ドラマの女王】は香取慎吾主演『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBS系)。期待をもって臨んだ初回は12%、第2話は11%と、なんとか数字をキープしたものの、観月ありさや木下優樹菜、宮藤官九郎をサブゲストに配し、KA-TUNの田口淳之介をメインゲストに迎えた第3話にして、10%を下回ってしまった。しかし、回を追うごとに確実に”記者好み”の面白いドラマに変貌している『こち亀』。抱腹絶倒の第3話を見てない人はソンしているよ!
安っぽい亀有の町のジオラマ、何だかヘンテコ警官な香里奈 や速水もこみち(部長役の伊武雅刀は合格!)。浅草や柴又などせっかくの東京下町の描写も“雑”で、両さんのハチャメチャぶりもまとまりが悪い。よくもまあここまでと言いたくなる程の“原作殺し”な『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。ではあるのだが、第3週目にしてすっかりこのダメさに目が慣れてしまった記者、最初から“ひいき”してきてよかったなあと思いながら、お盆休み帰省中に「こち亀」を見る。幽霊に右往左往する両さんと亀有の住民たち、宮藤官九郎のマヌケな霊能力者ぶりに親戚の子供たちともに大笑い。みんなで見ると”爆笑率3割増し”だ。
観月ありさがオープニング・ゲスト。近所の古い屋敷に幽霊が出ると派出所に訴えに来た。この後、木下優樹菜が地元の“ヤンキー娘”で一瞬登場するがまったく違和感ナシ。(実は部長が買っちゃていた)幽霊屋敷に出るサムライの幽霊・荒木格之進(田口淳之介)は、成仏できず今だ亀有をさまよっている。両津(香取慎吾)は、人間離れした能力を持つ警官の 日暮熟睡男(宮藤官九郎) と共に格之進を成仏させようと奔走する。
4年に一度、オリンピックイヤーにしか目覚めない人気キャラ・日暮にクドカンをもってくるなんて!このクドカン投入によってメリハリの無かった『こち亀』に“舞台的要素”が加わり、急激に面白くなる。麗子(香里奈) や 中川(速水もこみち)が見えない幽霊にマヌケに話しかけるが、幽霊が見える日暮が「そこじゃない、もうちょっと下!」とか教える。なんか楽し~い。
そして幽霊どころか屋敷全体にビームを送り、みんな格之進を見えるようにしたりと日暮大活躍。目覚めちゃったけど、実はオリンピック・イヤーじゃなくて「世界陸上」開催中だったという、TBS的に強引なオチもあった。ワーワーと声がうるさいシンゴの両さんは、相変わらず空回りだが、クドカン、田口、の二人が加わると「ありがちな幽霊騒動」もそれなりに面白かった。これで、スイカ、花火など、夏休みの必須アイテムと共にいつまでも今週の「こち亀」が、子供たちの心に刻まれる事だろう。(刻まれないか。)
とにかく、「クドカン液」の注入でコントからコメディへと昇格した『こち亀』。次回29日放送予定のゲストは『特命!刑事どん亀』(TBS系)の西田敏行。亀つながり?どこまでも自局の(TBS系)のツボを押さえているのである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)