writer : techinsight

【ドラマの女王】ドラマでここまで!あっぱれ。『救命病棟24時』

今回の【ドラマの女王】は江口洋介、松嶋菜々子主演の『救命病棟24時』。最終回の“ケツまくり”2時間半スペシャルが視聴率19%を超え、江口負傷による撮影の遅れの穴を埋めた総集編までもが同局他の夏ドラマより高視聴率というオマケ付き。日本の救急医療の現状を訴え、みんな大好きドリカムの歌が流れ、優等生な俳優達がみなさまに送る優等生なドラマ。最終回にて、コミカル封印のユースケもがんばった。

緊急指令がいつあるか分からないので、出前にめん類は頼まないスタッフたち(冷めて伸びたら食えないから)。お医者さんなのに多忙すぎて贅沢もできず、家を空けすぎて家庭も崩壊。金持ちの美容外科医の息子であるのに救命にのめりこみ、うつ病になってしまう若い医師・工藤亮介(石田卓也)まで登場した。

まさに現代医療のリアル。
医師不足の原因が、日本のお偉いお医者さんたちは自分たちの高額な報酬を守りぬくために医師の数を制限したがり、その希望を通すために政治家に多額の寄付をしている。ドラマ後半で、ユースケ扮する澤井が救命改革機構の会合で何か言おうとしてNGにさせられたのは、この関係があるからだ。

澤井のシーンを見て、松嶋さんや、江口さん、板尾さんや、きいちゃんが寝る間も惜しんで働かされているのは(役だけど。)政治と医療の一部の上層部を守るため。この現実に気づかされ愕然。モチロン、米ドラマ「ER」を見て思いつきで救命を立ち上げ、「後は忘れて」東京オリンピック誘致にやっきになっているアノ人の功罪も大きい。

『救命病棟24時』がドラマでここまでやったのはエライ。江口がバイクで事故って評判を呼び、「それに釣られて見てみたらいいドラマだった。」という新しいファンを獲得した『救命病棟24時』。『オストロスの犬』の錦戸インフルエンザと並び、業界人がノド元でかかっている主演俳優「ケガ」効果をいかんなく発揮したドラマと言えよう。
でも、このドラマが支持されたのは内容の濃さも重要。主人公のケガしたドラマが同じフジの『バンパイア』や『ブザービート』だったらこうはいかないはずだ。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)