今年1月末、精神疾患を抱えていた母親が3歳の娘を手にかけてしまうという悲劇が米カリフォルニア州で起こった。家族は「精神疾患を抱えて葛藤している者が救いを求めている時に、適切な対応をしてくれなかった」と精神疾患者の対応システムを非難した。『KTLA』『New York Post』『nbclosangeles.com』などが伝えている。
1月26日の午前6時45分頃、通報を受けたカリフォルニア州リバーサイド郡警察がハイグローブにある「Set Free Fellowship」という教会が運営する薬物・アルコール依存症治療施設に駆け付けたところ、建物の裏庭に幼い女児の遺体を発見した。女児には外傷があったことを同郡警察は発表しているが、それ以外の死因については明らかにしていない。女児の祖母にあたるロリー・ウッドさんが身元を確認し、孫のゼイラちゃんであることが判明。それからおよそ12時間後、ゼイラちゃんの母スーザン・ランク(30歳)が殺人罪で逮捕・起訴された。
スーザンはゼイラちゃんの殺害を認めており、警察に手錠をかけられて出てきた娘に母のロリーさんが「いったい何をしたの?」と尋ねた時にも「ゼイラを殺した」と答えたという。ロリーさんによると、事件現場となった施設でゼイラちゃんと一緒に暮らしていたスーザンは、ゼイラちゃんの親権のために2人で暮らせる家を探す手続きをしている最中だったようだ。また、精神疾患を抱えて過ごしてきたスーザンだが、これまで何度も治療を求めて然るべき施設を訪れるも、救いの手が差し伸べられることはなかったとロリーさんは言う。
「脳腫瘍を抱えて生まれた娘は、いつも精神疾患と闘っていました。でもこの1年以上は何も問題はなく、これまでゼイラに手をあげたことなどなかったのですが、精神的な病のせいで自分自身を傷つける行動と常に葛藤していました。最近、娘は『良くない思いが頭の中に入り込んでくる』と言って、地元の緊急治療センターに助けを求めに行ったのですが、きちんと対応してもらえずそのまま帰されたのです。この施設に入所する前も、娘のためにあらゆることをしました。たった一人の孫を亡くしただけでなく、たった一人の娘にも二度と会えないかもしれないのです。そう思うと涙が止まりません。」
スーザンは、