その時の機長には、大勢の乗客乗員の命を預かっているという認識が果たしてあったのだろうか。酒に酔った状態で旅客機の操縦桿を握りしめていた事実が明らかにされた「アラスカ航空」の米国人パイロット。裁判官は彼に非常に重い判決を言い渡す可能性があるという。
アラスカ航空(本拠地:ワシントン州)のパイロットが、機長の立場でありながら深酒をして旅客機の操縦にあたっていたことがわかった。問題のパイロットは、カリフォルニア州ニューポートビーチに豪邸を構えるベテランのデヴィッド・ハンス・アーントソン。酒酔い操縦が実際に起きてから1年半にわたりこの事実が隠蔽されていたことを問題視する声も多い。
カリフォルニア州中央地区の米連邦検察当局が発表したところによれば、アーントソンは2014年6月20日、酒臭い息でサンディエゴ国際空港からのオレゴン州のポートランド国際空港へ、続いてそこからカリフォルニア州のジョン・ウェイン空港へ向かう2つのフライトで操縦桿を握っていた。幸いにもアクシデントは発生していないが、着陸後の空港でランダムに行われる血中アルコール濃度の検査に引っかかったという。
検査は2回行われ、結果は1回目が0.134%、2回目が0.142%と基準値の0.02%を大幅に超えており、この連絡を受けてアラスカ航空会社はただちにアーントソンを解雇していた。米・疾病予防管理センター(CDC)はこの数値を「アルコール飲料を7杯ほど飲んだ量に相当する」と示している。
乗客乗員の命を預かり、安全に飛行機を目的地に飛ばす重大な責任を背負うからこそ大変な高給取りとなるパイロットの職。それだけに飲酒に関しては全航空会社が厳しい規定を設けている。国にもよるがフライトの8~12時間前から飲酒は禁じられている。もしもアーントソンに有罪判決が下った場合は、連邦刑務所で15年にわたり服役する可能性があるという。
出典:http://bnonews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)