海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】開店前の銀行で“不正侵入”トラブル。悪いのは客か、銀行か(米)

その銀行を正当に利用している客である以上、来店によって逮捕されたり訴えられたりするとは到底思うまい。このほど米ニューヨークで、ある男が銀行のロビーに入ったところで逮捕された。「悪いのは私じゃない!」と激怒しているその理由とは…。

顧客が来店、いや“不正侵入”したとして逮捕されるという事件が起きたのは、昨年1月3日の午前9時40分ごろのこと。ニューヨークのブロードウェイ近くの「キャピタルワン・バンク」である。だがこの事件で逮捕・起訴されたHelmut Jurkowitschという57歳の男について、「あまりにも運が悪い。落ち度は行員にある」といった同情の声も集まっているもようだ。

あるスタジオ会社のエンジニアとして報酬を小切手で受け取り、週に一度のペースでその支店を訪れては換金してもらっていたJurkowitsch。その日、まだ営業していないとは知らず店にやってきて入口の扉を開け、ATMの前を通過し、さらにロビーに続く扉を開けてソファに座ったところ、間もなく現れた警察官により手錠をはめられた。このたびその裁判がブルックリン連邦裁判所にて始まったが、Jurkowitschは「閉店だと知らなかった。“CLOSED”といった表示もなく、鍵もかかっておらずドアはすんなりと開いた。カウンターの向こうには2~3人の行員もいた」などと述べている。

だが“本日の開店は11時から”との張り紙があったことを監視カメラは捉えており、カウンター越しには行員の姿が確認できなかった。ところがJurkowitschの他にもう1人の客も入店したとみえ、営業していないとわかると店を出ていく様子も映っている。このあたりは故意にではなく、誤って入店したと主張するJurkowitschにとっては有利であろう。

また警察には「ホームレスのような男が不正侵入」と通報されていたことも発覚し、Jurkowitschは再び激怒。銀行、ニューヨーク市警、そして逮捕・起訴は当然との見解をみせたニューヨーク市を相手に、名誉棄損などで逆提訴に踏み切ることを決断した。不正侵入があればただちに警察に通報されるシステムをとっている以上、銀行は閉店後や開店前にはドアをしっかりと施錠すべきで、逮捕は全く不当であると主張している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)