エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「引退を考えている」。メンタリストDaiGoがブログで“金スマ”の内容を説明。

メンタリストとして活躍するDaiGoが、テレビ番組『金スマ』でフォーク曲げなどを見せるパフォーマーとしての姿は本来の自分では無いと証言した。彼は亡くなった母親との約束を胸に、不本意ながらも芸能界で活動を続ける後ろめたさから「拍手が怖ろしいこともある」と悩みを明かす。番組では「できることなら(芸能界を)辞めたい」と話していたが、放送後ブログでその件について説明している。

DaiGoが初めてテレビ番組に登場してフォーク曲げを披露した時は大学3年生だった。今年は“人の心を操る”パフォーマンスを加えて大ブレイクし、人気番組『笑っていいとも!』の準レギュラーとなるほどの売れっ子になった。

人気が出ると彼のパフォーマンスについて、タネがあるはずだと考える者も多く「耳の中に受信機を仕込んでおり、もう1人が教えている」、「番組前に共演者と口裏を合わせている」などの憶測も飛び交った。それもまた人気者の宿命なのだろう。

11月30日に放送された『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)にそのDaiGoが登場すると、レギュラー陣のベッキーや室井佑月も彼のパフォーマンスにはタネがあるのではと前述のような内容を話していた。

ところが、今回はDaiGoがいくつかのパフォーマンスについてタネを明かしたのだ。『4種類のボールからどれを選んだかを当てる』という“人の心を読む”やり方は、「相手の表情や動作を見れば分かる」と実践してみせた。さらに“フォーク曲げ”では、「相手を言葉で心理的に誘導することと、テコの原理」で誰にでも可能だと説明したのである。彼の説明したとおりに番組の男性スタッフが試みたところ見事に成功した。

DaiGoはこれまでも「僕のパフォーマンスは超能力ではなく科学的に裏付けられたもの」と話してきた。11月25日の『MUSIC JAPAN』(NHK)では、鈴木福くんにやり方を説明してフォークを折らせたり、AKB48の渡辺麻友にも人の心の読み方を教えている。

なぜ彼はパフォーマンスの秘密を明かすのだろうか。それは『金スマ』で彼が話した「パフォーマーとしての現在の自分は本当に目指している姿ではない」という本音と関係しているようだ。

DaiGoの母親は彼が子供の頃から薬剤師をしており、その影響で科学に興味を持ったという。慶應義塾大学の理工学部へ進学したのも母親のすすめだった。ある日、自宅でくつろぎながら彼が「将来、研究者になりたいんだ」と夢を語ったところ、母も「あなたが大発明したら鼻が高いわ」と喜んで賛成してくれたのだ。しかし彼は“メンタリズム”に関する書籍に出会ったことから、メンタリストとしての道を歩み始める。芸能活動が多忙で大学も休みがちな彼を、母は心配していた。

そんな時に、DaiGoは母親が引き出しに隠していた抗がん剤を発見してショックを受けるのだ。母は乳がんの再発を家族に内緒にしていたのである。自分の病を隠して芸能界に傾く我が子の行く末を心配する母に、DaiGoは「テレビの仕事を辞めて、医学部に編入しようと思っているんだ」と再び研究者への夢を目指す意志を伝えた。

今年4月のこと、収録直前の彼に父親から電話があった。母が意識不明に陥ったという知らせだった。彼はそれでも『衝撃速報!アカルイ☆ミライ』(TBS系)の収録で、見事なパフォーマンスを見せていた。収録を終えた彼が急いで自宅に駆けつけると、息子の帰りを待っていたかのように母は息を引き取ったのである。「最後に話したのは前日でした。他愛ない話で、もっといろいろ話があっただろう…」とDaiGoはその日を思い出す。

母親との約束が常に彼の脳裏にあることから、テレビでパフォーマンスを披露する際に「後ろめたい気がするので、『ワーッ』と拍手されるのが怖い時もある。拍手の分だけ責め立てられているような気分だ」と悩みを明かした。

番組では「芸能界を続けることは難しい。できることなら辞めたい」という意志を示した彼だが、放送日の翌日にブログ『メンタリズム・ラボ』で再度その件に触れている。

「今回の金スマでは、引退を考えているという話をさせていただきました」と記しており、“引退”という言葉も見られる。さらに彼はテレビ番組に出演してきたことについて「メンタリズムの本当の意味は誰にも伝わっていないのではないか? 単なるパフォーマンスの一分野のように見えてしまっているのではないか?」と疑問を感じているようだ。

ブログでは今後は新たなメンタリズムの活用方法などを提案していきたいと綴られており、『金スマ』で明かされた「医学部への編入」については触れられていない。いずれにしろテレビで現在のパフォーマンスを目にする機会は減りそうである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)