「レバ刺し」禁止による焼き肉店への駆け込み需要で行列ができた6月最後の週末。肉には一家言をもっているタレント・伊集院光が、7月1日から生の牛レバーの提供・販売を禁止する項目が盛り込まれた食品衛生法の矛盾に苦言を呈した。
7月2日深夜放送の『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)でのこと。伊集院光は「レバ刺し禁止」について、死者が出てしまっているのでなにかしらの対応が必要だというのは理解していると語る。しかし、「死者が出た」=「レバ刺し全面禁止」というのは、あまりにも安易で“バカ”でも思いつく立法ではないだろうかと苦言を呈した。
高校生の時に、スーパーの精肉売場で働いていた伊集院。当時はお店に「レバ刺し用の肉が入荷する」と、仕入担当者のテンションが上がるほど珍しいことだったと振り返る。そのレバ刺しを分けてもらうこともあったらしいのだが、その際には細かい食べ方まで指示され、レバ刺しはとても希少なものという印象を持っていたそうだ。
また伊集院は、肉の解体からすべて店主が行う“肉のエキスパート”の焼肉屋によく通っていたという。そこでも、レバ刺しは定番メニューにはなく、「レバ刺しあるよ」と声を掛けてもらうような裏メニュー的存在だった。売れ残りそうなレバ刺しを振舞ってくれるときには、必ず「風邪ひいてないか?」などしっかりと体調を聞いてから食べさせてもらっていたのだ。
さらに、焼肉店では生肉の状態で提供されて自分で焼くスタイルが多い。「焼く前提で提供された生のレバーを焼かないで食べたらどうなのか」というような“脱法レバ刺し”の問題がある。伊集院は、法で禁止をするなら誰もが思いつくような法の抜け道までしっかり想定して禁止しないと、意味がないのではないかと語った。
これまでは、提供する側の判断力や常識力に頼りながら“生レバー”は提供されてきた。しかし、国が提供者を信用できないと判断したのであれば、伊集院の言うとおり肉のエキスパートがいない店でも安心して食べられるような“抜け道のない法”を整備する必要があるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 佐々木直まる)