歌手やタレントとして活躍した安岡力也さんが4月8日に亡くなった。彼とは古くから交友のあった和田アキ子が、テレビ番組で前夜に面会していたことを明かした。和田の呼びかけに力也さんは反応したという。
安岡力也さんは1960年代のグループサウンズ全盛期に「シャープ・ホークス」のボーカルとしてデビューして芸能界に入った。その頃に歌手デビューした和田アキ子が、4月8日放送の番組『アッコにおまかせ!』で当時から仲の良かった安岡力也さんが危篤と聞き4月7日に面会したことを明かした。
和田が関係者から力也さんについて「意識はあるけれども危篤状態」と知らせを受けたのは7日の夕刻だった。彼が2006年に発症したギラン・バレー症候群と闘いながらも息子さんからの肝臓移植などにより克服しつつあると聞いていた和田は、その知らせに驚きとにかく入院先へ向かった。
「力也はとにかく体が大きくて、私と彼が六本木を歩くと“十戒”のごとく人が道を開けた」と和田は思い出を語る。しかし対面した時の力也さんは痩せており、酸素吸入器をつけて小刻みな呼吸を続けていたという。
話すことはできないと彼の容体を聞きつつも、和田は「おい力也っ。どうしたんだお前」といつもの調子で声をかけた。すると力也さんは反応したのだ。「パッと目を開いて“オーマイガッド!”という仕草で左手を額にあてた」と、和田は彼の仕草を説明した。
さらに力也さんは、指に心拍数を測る器具をつけた右手をゆっくりと持ち上げて和田と握手しようとしたのである。
和田はそんな力也さんに「大丈夫だよお前。そんなに焦るなよ」と返したが、関係者は危篤状態となった力也さんが「そんな反応をしたのは初めてだ」と驚いていたそうだ。彼の反応にひと安心した和田は「もう一回来るね」と病院を後にしたのだ。
そんなことがあって約12時間後の朝に力也さんの訃報を知ったという和田は、「実は、すごくショックで…」と言葉を詰まらせながら「心からご冥福を祈ります。本当にいいやつでした」と語った。
力也さんを知る峰竜太も「ああ見えて、もの凄くやさしいんですよね」と思い出すと、リアクション芸人の出川哲朗は力也さんからドッキリを何度も仕掛けられたことを振り返り、「ボコボコにされるんですけど、OKが出ると『出川! 悪いな~』と肩を叩いてくれた」とその人柄を偲んだ。
そんな出川の表情に和田アキ子も「そう言ってくれると嬉しい。力也の供養になると思う」と親友として礼を述べていた。
安岡力也さんは歌手として活躍して以降は、俳優や“ホタテマン”をはじめバラエティでも人気を博しただけに思い出を持つ人は多い。ご冥福をお祈りしたい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)