ソフトバンクのCMで、モデルのトリンドル玲奈が使う“てへぺろ”という言葉が話題となっている。この言葉は声優の日笠陽子がブログで用いたことからファンの間で広がっていたが、今回のCMで全国的に知られることになったのだ。しかし、今回の現象について語源の日笠陽子やそれを広めたひとり、AKB48の渡辺麻友らは喜びながらもとまどっているようである。
ソフトバンクCMの白戸家シリーズにトリンドル玲奈が出た初回バージョンでは、“ハワイからきた留学生のトリンドル・タダ”が「鳥取の羽合だでぇ」と実は日本在住とバラすオチがある。その時に彼女は、舌を不二家のキャラクター“ペコちゃん”のように出して「てへぺろ」と言うのだ。
この“てへぺろ”は、アニメ「けいおん!!」などで活躍する声優の日笠陽子が、ブログ『日笠陽子のひよっ子記』やラジオ番組で使用したところ、AKBの渡辺麻友などがそれをマネてAKBメンバーやファンの間で広まった経緯がある。
“てへぺろ”の人気は確実に浸透しており、2月17日の『ミュージックステーション』に出演したAKB48の篠田麻里子が、手づくりクッキーを司会のタモリにプレゼントしたが、それに描かれたタモリの似顔絵が“てへぺろ”をしていたのだ。しかも篠田麻里子から振られて、タモリが実際に“てへぺろ”をやって見せたのである。
渡辺麻友が2月19日に『渡り廊下走り隊のオフィシャルブログ』で、「タモリさんがてへぺろをやる日がくるとは!」とこの件に触れると、日笠陽子へ呼びかけつつも「てへぺろはひよっちさん(日笠陽子の愛称)のものだからね、みんな、覚えといてね、忘れないでね!」と主張したのだ。
日笠陽子も24日のブログで、「気遣い屋さんでとっても優しい子や」と渡辺麻友の気持ちを受け止めると「メディアで広く扱われるようになったのは、まゆゆちゃんが使ってくれたからですね」と彼女に感謝していた。
また、日笠陽子は現場で声優仲間が集まる時の様子を「まさにてへぺろ地獄。最近色々なてへぺろが見れて楽しいです」とも記しており、自身も“てへぺろ”の人気を実感しているようだ。
ちなみにニコニコ大百科によると、“てへぺろ”について『日笠陽子曰く“仲の良い人が(その場に)居る”ことと“許される空気である”こと。以上の条件を満たした場合、てへぺろることが可能になる』と説明されている。トリンドル玲奈がCMで使用する状況が、この条件を満たしているかは疑問だ。
また“てへぺろ”を使うタイミングは、『相手がイラっとした時にすかさず発動させる。イラっとした気分を緩和する効果があるが、基本的に可愛い子に限る』とあり、タモリが使用したこととも矛盾する。
“てへぺろ”が人気上昇すると共に、語源である日笠陽子の意思から離れて一人歩きする様子を、本人や渡辺麻友らも複雑な気持ちで眺めているのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)