エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「扇風機は回すな」。お笑い芸人、タモンズ・大波の壮絶貧乏人生にさんまも脱帽。

明石家さんまのテレビ番組『踊る!さんま御殿!!』に貧乏体験を持つ芸能人が揃った。その中の1人、お笑いコンビ、タモンズの大波康平が話した貧乏体験は、共演者が「それを聞いてはもう何も話せない」と口にするほど強烈だったのだ。

お笑い芸人の貧乏体験といえば、島田洋七の自伝『佐賀のがばいばあちゃん』を思い出す。彼の祖母が貧乏ながらも明るく逞しく生きる姿を書いたものだ。時代は違うが2月7日に放送された『踊る!さんま御殿!!“昔、貧しかった芸能人SP”』で、タモンズの大波康平が話したのはやはり祖母との貧乏生活だった。

話は彼の母親が、行方の分からぬ父親を探しに行くと出かけたきり帰ってこないことから始まった。その時から、姉と共に祖母の年金を頼りに暮らすことになったのだ。母親は12年間戻らなかったのでかなりの期間、貧乏が続いたことになる。

大波康平自身の話になるが、姉もやはり同じような感じだろう。服といえば学校の半袖半ズボンの体操着が1着のみで、それで年中過ごしたというのだ。彼の出身地は兵庫県で、冬場はかなり寒くなる。そんな時にはカーテンを体に巻いて、さらに寒い日はレースのカーテンを上から巻いて学校に通った。

家の中でも暖房器具は無く、祖母は彼に「冬は動くな! 動くから冷気が肌をつんざくんや!」と寒さをしのぐ術を教えた。夏は夏で、扇風機はあるが電気代がかかる為に「絶対に回すな」と祖母からきつく言われた。

ところが、夏のある日、大波が家に帰ると扇風機が回っていたのだ。彼が不思議に思い扇風機の後ろを見ると、祖母が壁にあいた小さな穴に電源コードを通して隣の家のコンセントにさして使っていたのである。

「小学校2年生なりに“やってはいけない”と直感した」と、大波はその時の気持ちを思い出す。彼が「それはやめてくれ」と話すと、祖母も諦めてコンセントを抜いて手を引っこ抜こうとした。しかし、穴に引っかかって抜けずに力任せに引っ張ると、壁が崩れてきたのだ。

だが、その時隣人は「壁が腐ってきてたからな~」と言うだけで、怒ることも無かったのである。「部屋が広くなって、風通しが良くなったんですよ」と大波は話しており、どうやらそのままで過ごしたようだ。

やがて12年ぶりに母親が戻ってきた時には、再婚相手の男性と一緒だったという。大波康平のプロフィールによると最終学歴は東京都立大学(中退)となっており、祖母と3人暮らしの極貧状態から進学できるまでに生活は改善したと思われる。

よしもとに入りタモンズを組んだ大波は、2009年からは芸人仲間のサヨナラダンス・滝野と同じ部屋で暮らしている。祖母と過ごした貧乏な日々は辛かっただろうが、そのエピソードで芸能人が憧れる『踊る!さんま御殿!!』に出演することもできたのだ。これをきっかけに同居生活ともさよならできるだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)