中国で人気のアイドルグループ、AK98が日本のAKB48に似ていると話題となったのは昨年のことだ。テレビ番組『なかよしテレビ』では、中国へ向かいAK98メンバーやその仕掛け人に直接取材してその件を確認した。果たして真相は解明できるのか。
中国に美少女集団“AK48”が登場したことが日本で話題となったのは、昨年の9月頃だった。中国での情報によるとグループが結成されたのは2010年。時期的には日本のAKB48より5年ほど後発ということは間違いない。
AK98は「A=エンジェル、K=キッス、98はメンバー数」を意味する。メンバーについては現在50人程度が集まっている。日本人から見ると大部分が「AKB48の真似だろう」と思うのではないか。1月17日に放送された『なかよしテレビ』(フジテレビ系)ではその真相を追究したのである。
レポートしたのは中国人ジャーナリストの周来友だったこともあり、言葉の壁は無く、核心に迫るチャンスを逃さなかった。なにしろ「AKB48に関する質問は一切しない」という条件で撮影を許可されたほどなので、取材内容も神経を使うのだ。
この日、AK98メンバーがレッスンするスタジオには8名のメンバーが入っていた。メンバーは大学生に限られるので、この日はほとんどが試験中だったのだ。「CDはまだ出していないが、もうすぐ出す予定」などのやりとりをした後に、彼女達から「チームAとチームKに分かれている」という言葉が出た。
周来友が「日本にもA組とK組に分かれているグループがあるのを知っているか?」と尋ねると、彼女達は両手で×マークをつくり「それは秘密~」と微笑むだけだった。
するとその瞬間、質問がストップされて周は男達から別の場所へ連れて行かれ30分程度問い詰められたのである。「二度とAKBについて聞かない」と再確認されて取材は続行されたが、周はこの時の様子を「異様な雰囲気で、どこかへ連れて行かれるかと思った」と話した。
幸いなことにAK98を総合プロデュースするショウ・ウンリュウ氏へも取材できた。彼はAK98の今後の展開について「メンバーを増やして、日本へも進出したい」と語ったのだ。
周はそれに対してズバリと「AK98は日本のAKB48と似ていると言われていることは知っているのか?」と確認すると、ショウ氏は「そう言われていることは知っている」と答えたのである。
ところが彼は「AK98は劇場が拠点ではなくネットを活動の場とする」、「メンバーは大学生限定だ」、「制服はオリジナルだ」と理由を挙げて「全然似ているとは思わない」と言い切った。
全く納得できない周は「どう見ても似てますね」とハッキリと言い返した。しばし沈黙が流れてショウ氏は考え込んだ末に「今の話を聞いていたのか?」と言うと周をにらみつけたのだ。もはや、周も言葉を出せる空気ではなかった。
今回の取材からは、日本と中国(関係者)での「似ている」という認識の違いから“パクリ疑惑”の答えにたどり着くのは難しいことが分かった。だが、あわせてAK98メンバーは明るく活動していることも確認できたのである。取材を終えた周来友も「彼女達は健気に頑張っている」と感想を語った。
今年はAKB関連グループから台湾の台北市を拠点とする“TPE48”も誕生する予定で、AK98との関係がますます複雑になってくるのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)