アイドルグループ、Berryz工房の“ももち”こと嗣永桃子をバラエティ番組でよく目にするようになった。ぶりっ子キャラが売りの彼女だが、トーク番組でもアイドルとは思えない話術を見せて盛りあげたのだ。彼女が事前にアピールの準備をするなど、芸人のようなこだわりを見せたことにも驚いた。
嗣永桃子(つぐながももこ)の人気が急上昇したのは、テレビ『めちゃ×2イケてるッ!』で9月に放送された“AKB48以外だらけの大運動会”での活躍がきっかけとなった。彼女がぶりっ子キャラで「ゆるしてニャン!」などのパフォーマンスを繰り出すと、それにキレた審判役の加藤浩次から飛び蹴りされたり、首根っこをつかまれて場外まで引きずられるなどの仕打ちを受けたのだ。そのインパクトが強く『“ももち”って面白い』と話題となり、彼女の知名度も上がったのである。
11月10日に放送された『ライオンのごきげんよう』にその嗣永桃子(ももち)が初出演したが、それまで彼女が持っていたイメージとは違う一面を見ることとなった。前述の『めちゃイケ』の印象が強いだけに“ぶりっ子キャラ”が彼女の武器と思っていたのだが、トーク番組ではそれなりに内容を練って準備していることに驚かされた。
彼女が「Berryz工房のももちで~す」と登場すると、司会の小堺一機がなぜ“ももち”というのか尋ねた。すると彼女は紙芝居風にイラストを描いたスケッチブックを取り出して説明したのである。「“嗣永桃子”って読みにくいので“ももち”と可愛い呼び名にした」ということだが、それだけの為にスケッチブックを準備する彼女の気の遣い方にまず感心した。
また、ももちが「手の小指をいつも立てるのがクセ」だと、ハートの指輪をはめた小指を観覧客に見せながら「このアンテナはファンのみなさんの愛を受信するため…」と呼びかけた時だ。客があまりに静まっていたので、彼女は「あっ、あんまり興味ないですか?」と自分で落とした。そのタイミングが面白くて逆にドッとウケたのだが、彼女のタイミングを読むセンスがまるで芸人のようだったのだ。
やがて彼女のトークの順番が来ると、手づくりでキレイに装飾した“手持ち用のフダ”を取り出して共演者に配ったのである。そのフダには“イラッ”という文字と“かわいっ”という文字が片面ずつ書かれていた。彼女は「私は、人をイラッとさせちゃうことが多いみたいだけど、自覚がない」と説明すると、トークを聞きながらそのフダで正直な気持ちを教えて欲しいと言うのだ。
結果は、予想通りに共演者全員が最後まで“イラッ”のフダばかり上げて、ももちが目を丸くして驚くといったオチで終わった。これも、このフダにより共演者も巻き込んでトークを盛りあげるという、計算された仕掛けなのだ。
このようにももちは、あの『めちゃイケ』で加藤浩次と見せたドタバタ劇とは違った“笑い”も持っていることが分かる。この日、共演者は“イラッ”のフダを上げたが番組HPへ視聴者から届いたメールには「嗣永桃子さんは話すテンポも良く、楽しかったです。イラッとさせるどころか、笑って爽快な気分になりました。」という内容もあった。ももちの努力はしっかりと伝わっているのだ。
ももちがブレイクする前に雑誌に掲載されたプロフィールを見たが、そこで彼女は「歌で人の気持ちを明るくできるようになりたい。きっと人生にくじけている人がいっぱいいると思うから」と話している。ももちのパフォーマンスにはそんな思いも込められているからこそ“お笑い”にも全力を出すのだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)