イタすぎるセレブ達

writer : techinsight

【イタすぎるセレブ達】ショーン・ペン、今度はエジプトで抗議デモに参加。

俳優ショーン・ペン(51)が、ムバラク政権崩壊後のエジプトの首都カイロで行われた市民への権限移行のスピードアップを求める抗議デモに参加し、エジプトの国旗を手に市民達にエールを送った。

先日は、イランで米国人ハイカーが人質にとられていた件で、ペンが外交官並みの手腕を発揮してベネズエラのチャベス大統領に仲介を頼み解決に一役買ったばかり。「政治活動家」として知られる熱い男、ペンが今度はエジプトに現れ政治デモに参加した。

今年2月、エジプトでは30年続いた独裁政権、ホスニー・ムバラク大統領の退陣を求める反政府派のデモが拡大し、大統領支持派と衝突して死者が出たり、各国からの取材クルーが襲われるといった危険な事態となったことは記憶に新しい。その後ムバラク政権は崩壊、エジプト市民は民主化に向けて一歩一歩前に進み始めていたが、このほどムバラク政権崩壊後初めてとなる議会選挙を巡り、エジプト軍発表の選挙制度に国民の反発が強まっていた。

市民への権限移行のスピードアップを求める市民が集まり、先月30日に行われた大規模な抗議デモは、2月の「革命」と同じ場所であるカイロ中心部のタハリール広場で開かれた。デモの参加者は数千人。その中に交じって、ペンがエジプト人俳優カーレド・エル・ナバウィさんと並びエジプトの国旗を手にもってストリートを行進、軍の暫定統治に対する不満の声をあげた。ナバウィさんは2月にも、表立って反対派としてデモに参加していたエジプトのセレブだ。

ペンは「エジプトの自由のための勇気ある革命の叫びに、世界中がインスパイアされている。」とエジプトの『アル・アハラーム』紙に語り、エジプト市民による「革命」を褒め讃えた。また彼は「しかし、革命は一夜にして完了するものではなく、この先まだ困難が待ち受けているだろう。憲法の問題もあるし、軍から市民への権限移行の問題もある。だから、勇敢なエジプトのブラザー達と連帯するために、ここに彼らの自由をサポートしにやって来た。」とも語った。

ペンをエジプトに招いたのはナバウィさんで、その理由は「エジプトがもはや危険な場所ではないことを示したかった」ためであるという。

エジプト軍の最高評議会がこのほど発表した、来月28日に行われる議会選挙のシステムは、旧ムバラク政権時代の政治勢力が議会に戻るのに有利に働くとして国民の間で反発が強まっており、それが今回の抗議デモを引き起こした。「せっかく起こした革命が我々の手から盗まれている」「我々の要求はちっとも聞き入れられていない」と、今回のデモの参加者は口々に不満をもらしていたようだ。

ペンの熱いサポートで、エジプト市民達は少しでも勇気づけられただろうか? それにしても実に行動力のある51歳ペン、今度は世界のどこで「政治アクション」を起こすのか注目である。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)