writer : techinsight

1位はトヨタとイチロー!その共通点は?この2者は「●●力」がある?

ビジネスパーソンたちはどんな企業・人に対して「いい仕事をしそう」という評価をしているのか?この結果によって、「いい仕事」をするためには、どんな力をつけるべきなのか、その方向性が見えてくるかもしれない。

民間調査・研究機関の財団法人労務行政研究所では、企業を支える人材にこれから求められる「仕事力」についての研究の一環として、20代から50代のビジネスパーソンを対象にウェブアンケートを実施し、831人(男性414人、女性417人)から回答を得た。

「あなたが考える仕事力があると思う企業・有名人とは?」との質問で、「仕事力があると思う企業」の1位になったのは、95票を獲得したトヨタ自動車。高い組織力を誇るトヨタ自動車は、男女別のランキングでも1位を獲得するという圧倒的な強さを見せた。また、トヨタといえばリコール問題に端を発するバッシングによって大揺れしたが、その後の対応で危機を乗り越えたということも好印象につながっているようだ。以降、2位にはユニクロ、3位にはパナソニックが続く。
「有名人」のランキングで1位になったのはイチロー。2010年は10年連続200本安打とゴールドグラブ賞獲得という大記録を達成。プレイヤーとしての才能はもちろん、長年にわたり安定して結果を出し続ける驚異的な自己管理能力に対する評価も高い。2位以降には北野武(ビートたけし)、島田紳助、明石家さんまとトップクラスのお笑い芸人たちの名前が連なる。

上位に名が挙がっているのは、高い専門性を持ち、独自の方法で確実に実績を残している面々だが、ビジネスパーソンたちはその点だけを見て「仕事力がありそう」という評価をしているのではないようだ。「あなたが感じる”仕事力”とは?」との質問で最も多かった回答は、「本当は何が必要か、そのためには何をすればいいかを的確に判断できる『戦略力』」だった。「個人としての優秀さ」や「専門家としての力」ももちろん評価されているが、このほかにも「トラブルなくスムーズに仕事を管理し、進めていくことができる『段取り』」、「お客様、上司、部下などの関係者と円滑に事を進めていく『調整力』」といった組織運営にかかわる能力が上位にランキングされている。

トヨタもイチローも、世界を相手に大きな実績を残してきた日本の誇りだ。その専門的な能力が一流であることは疑いがないが、自動車王国アメリカの牙城に切り込み、WBCという大舞台で勝ち上がっていくために、組織として何をすべきかという明確な戦略を持っていたことも間違いない事実。「できる企業・人」をつくるためのヒントがここにあると言えそうだ。
(TechinsightJapan編集部 小林由佳)