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【お笑い峰打ちコラム】芸人青田買い ハマカーン

 ケイダッシュステージ所属の「ハマカーン」。今年で結成10年目、M-1グランプリでは3度準決勝進出を果たしている中堅どころである。

 ツッコミは眼鏡をかけた神田伸一郎、ボケは浜谷健司。神田はタレント・神田うのの実弟であるが、姉の七光りを浴びていないことはコンビのマイナーぶりからもわかるだろう。

 十八番はボケ主導で進む漫才。オーソドックスではあるがしっかりとした基盤が見えるものである。テレビでの露出は少なかったが、爆笑オンエアバトルでは23戦2敗、チャンピオン大会ファイナルには4回出場と大活躍。地道な活動を重ねてファンを増やしてきた彼らだったが、昨年、ついにブレイクのきざしが見えてきた。

 ハマカーンが昨年ごろから披露しているネタがおもしろい。なにげなく神田が発した一言に対し浜谷が妄想をふくらませ、怒りに声を震わせた『下衆の極み!』で落とす。妄想ネタは過程が大切だと思っていたが、やり方次第で短時間でもおもしろく見せられるのだと知った。

 下衆の極み、日常でおよそ口にすることも耳にすることもないフレーズをネタに取り入れたハマカーン。これによりテレビサイズで笑いを取りやすくなったことはもちろん、ブレイクするのに必須ともいえる代名詞を手に入れたことになる。今時フレーズだのみでは売れっこないが、彼らは素のネタも十分におもしろい。ブレイクする準備は万端だ。

 ハマカーンの所属事務所には吉本や松竹のような専用の劇場がない。だからこそ彼らは、事務所の先輩であるオードリーがそうであったように、テレビで名を売らねばならないのだ。そのためには切り札が絶対に必要。『下衆の極み』は彼らにとって、知名度アップの特急券となるであろう。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)