writer : techinsight

【ドラマの女王】舘ひろしが”イタイ”の一言に尽きる。『ダンディ・ダディ?〜恋愛小説家・伊崎龍之介〜』

今回の【ドラマの女王】は、舘ひろし、南沢奈央主演『ダンディ・ダディ?〜恋愛小説家・伊崎龍之介〜』(テレビ朝日系)。キャッチコピーは「今度の舘は、タチが悪い」って滑り出しから嫌な予感がするドラマ。予感的中!石田純一ばりの“モテ男”を演じている舘さんがもうイタイのなんのって。つい、舘ひろし、新垣結衣コンビの父娘ドラマ『パパとムスメの7日間』と比べちゃうんだけど。

自らの経験を書いた恋愛小説でベストセラー連発し、TV雑誌でひっぱりだこの小説家伊崎龍之介(舘ひろし)。亡き妻の忘れ形見・あかり(南沢奈央)が立派な娘に成長し、毎日が気が気でない。またあかりも、恋に恋する年頃で、少々父の目がうるさく感じてきている。

そんなある日、龍之介の小説を読んで感動したという、あかりの学校で一番人気の男子生徒・小早川悠樹(石黒英雄)→通称コバちゃん。があかりを心配する龍之介の片棒をかつぎ、それが縁であかりと「つきあう」事に。若い二人が心配な龍之介だが・・・・。

舘ひろしがイタイ。その一言に尽きるドラマ。

なにかと娘を心配し、「ケーキ・バイキング」が目的でもホテルだから許さない“娘バカ父”を演じる舘ひろし。「プレイボーイだったから結婚が遅かった。」という設定なのだろうが、15歳の娘の父にしてはいささか年を食いすぎだ。この手のオシャレなドラマで“娘離れできない父”役は、まだ娘の恋人でも許せる俳優がやるのがベスト。反町隆史や竹野内豊あたりでやった方が良かったのではないか。実年齢59歳の舘ひろしが演じると案の定、朝ドラみたいになっている。娘の恋愛に右往左往する舘の様が、NHK朝ドラ「つばさ」の父、竹雄を演じる中村梅雀に重なる。

新垣結衣の父娘コンビのドラマ『パパとムスメの7日間』(TBS系)では、家族から少々お荷物あつかいされていたサラリーマンを演じた舘ひろし。この手のパパ・キャラへの方向転換を10年前にやっておいた方がよかったかも。『パパとムスメの~』のパパの方がまだ哀愁があって良かった。さすがに『ダンディ・ダディ?~』までコメディータッチになるといくら同じ八嶋智人の部下を配しても笑いをとるのは難しい。

しかも、ドラマづくりが“下手クソ”なテレ朝。テンポは悪いわ、全体的に古臭いわ、あかりとコバちゃんは”いい子過ぎる”わ、でいいとこナシ。せっかく人気キャスト揃えても若い子にソッポ向かれちゃうよ。
文芸評論家・佐々木泰三(鹿賀丈史)と龍之介が「愛について」意見をぶつけ合う討論番組も古くさい。30年前の遠藤周作と北杜夫じゃないんだから。龍之介にバラを一本渡されてノックアウトさせられる東ちずる。っていうのも、熟女過ぎ。石田純一風だったらもっと若い女落としてー。

ああ、そうか『ダンディ・ダディ?〜恋愛小説家・伊崎龍之介〜』の視聴者のターゲットは南沢奈央ちゃん世代じゃなくて、東ちずる世代だったのか?(記者もその輪に入ってしまうのか?)今後の展開として、「おばさま達に好かれるための舘ひろし。」=「ヨンさま風な舘ひろし?」メガネにセーターで微笑む舘ひろし。ありそうで怖いけど、いやーん。そんなのもっと見たくない。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)