writer : techinsight

【3分でわかる】GTO 中編

 ヤンキー上がりの破天荒な教師が問題を抱えるクラスを変えていく学園漫画「GTO」。ドラマ化により話題を集めた作品だが、実は漫画ならではの描写が非常に楽しめるものとなっている。

 主人公である「鬼塚英吉」は高校時代、親友の「弾間龍二」とともに“鬼爆コンビ”と呼ばれ名を湘南一帯に知らしめた伝説のヤンキー。その強さはGTOの前作「湘南純愛組!」に詳しいが、GTOでは腕っぷしよりも生命力に注目したい。

 鬼塚は不死身である。車にひかれ、ナイフで刺され、銃で撃たれても死なない。流血や骨折はするものの大事には至らないのだ。最終話間近で心臓が停止する場面があるが、それでも不死鳥のごとく蘇っている。鬼塚はきっと頑健な体と驚異的な回復力を兼ね備えているのであろう。加えて、驚くべき身体能力の持ち主でもある。

 自らが運転するバイクの後部座席から身を投げ出した生徒を、バイクに乗ったまま片手で抱きとめる。バイクごと車にはねられながらも、次の瞬間にはその車の天井にはりついている。飛行船からぶら下がるロープにつかまり、体当たりで窓を突き破ってホテルの一室に侵入。コンクリートと思しき壁をハンマーや素手で破壊。電車が迫る線路に飛び込んだ生徒の後を追い、生徒を抱きかかえてホームと電車の隙間に移動。鬼塚はアクションスター顔負けの離れ業を次々と見せてくれる。

 鬼塚の身体能力は主に生徒を助ける時に発揮される。その舞台としてもっとも多いのが屋上であり、自らの意思で飛び降りた、または不可抗力で落下した生徒や同僚の教師を鬼塚は幾度となく救っているのだ。

 屋上から「吉川のぼる」が降ってくることに気づいた時は猛ダッシュで落下地点へ向かい、わが身と教頭の愛車を挺して助けた(ちなみにこの時は腕を骨折している)。また、ともに屋上にいた「神崎麗美」が落下した時は校舎の壁を走り、重力に従って落ちる神崎に追いついて救出。鬼塚の現実離れした身体能力とマンガ物理学の融合により楽しめる、まさに漫画ならではの演出である。

 元ヤン教師の人間とは思えないウルトラCの数々。実写では表現しきれない鬼塚の行動を、ぜひとも漫画で確認してみてほしい。

(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)