writer : techinsight

【3分でわかる】GTO 前編

 7年の時を越えて週刊少年マガジンで連載が復活することとなった「GTO」。反町隆史主演のドラマが一大旋風を巻き起こした漫画作品である。

 主人公・鬼塚英吉は数々の伝説を持つ超絶ヤンキーで、高校を中退した後、大検に合格して五流大学といわれる「優羅志亜大学」に入学する。卒業を前にマスコミ系にしぼって就職活動をするが、その風貌とめちゃくちゃな履歴書で全戦全敗。そんな中、街で偶然出会った女子高生が教師とつきあっていることを知り、自らも教師になることを決心する。

 教育実習中に生徒の美人局にひっかかった鬼塚は、関係した生徒たちを水攻め、火あぶりなどで粛清し、更生させる。そればかりか美人局の主犯格「水樹ななこ」の家庭問題をも解決した。実習先の教頭からぜひ働いてもらいたいと言われて気を良くするが、教員採用試験の存在を知らなかったため公立校は諦めることに。

 大学の就職課で見つけた「私立東京吉祥学苑」の面接に向かう途中、鬼塚は痴漢にあっていた女性を助ける。奇しくも面接室で待っていたのは先ほどの痴漢であり、学苑の教頭を務める「内山田ひろし」だった。当然面接は散々、あげく鬼塚は元生徒をクズ呼ばわりする内山田に腹を立て、ジャーマンスープレックスを決めてしまう。

 教師になることを諦め長距離トラックの運転手として働き始めた鬼塚の元に、吉祥学苑から最終面接を受けてほしいと連絡が来る。トラックで駆けつけた鬼塚に理事長「桜井良子」は、鬼塚のジャーマンスープレックスに学苑のさまざまな問題を解決する力を見たとして採用を言い渡した。鬼塚に任されたのは“担任いじめ”で有名な中等部元2年4組。生徒たちの心に巣食う闇に、グレート・ティーチャー・鬼塚が立ち向かう。

 GTOといえばドラマ版のイメージが強い人も多いことと思う。生徒たちの悩みを体当たりで解決する破天荒な教師を描いた作品であるという肝は原作である漫画も同じであるが、テイストが大きく違うため、戸惑いを覚えるかもしれない。

 漫画は基本的にギャグタッチであり、シリアスな場面はあまりない。一見生徒のためとも思える鬼塚の行動が実は私欲ゆえであった、などはお約束。漫画での鬼塚は徹頭徹尾下品であり、のぞきやAV鑑賞など反町隆史が演じるには少々難がある行動も多い。だからといって、ドラマとの違いをあげつらって幻滅することに終始してしまうにはもったいない。漫画ゆえのはちゃめちゃぶりを堪能し、最終的に待っているドラマと同等以上の感動を味わおう。

(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)