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【お笑い峰打ちコラム】M-1グランプリ予復習 ザ・パンチの哀愁

2008年12月17日 7:26

 今年がM-1グランプリ決勝戦初出場にしてラストイヤーとなるザ・パンチ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)。「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)で頭角を現した、今年のお笑い界を象徴するような存在だ。




 ザ・パンチの漫才の一番の特徴は“嘆き節”と称されることが多いツッコミ。ボケの浜崎に相方である松尾はじわじわと、ねちねちとつっこむ。それは『なんでやねん!』といった快活なものではない。『死ね』だの『気持ち悪い』だの『恥ずかしい』だの、容赦なしだ。

 字面にするとPTAの方々に怒られそうなツッコミだが、語調を荒げて言うわけでもなく、とてもマイルド。浜崎に対する(あくまでネタの上での)嫌悪を、怒りではなく嘆きに変えて表現している。とはいえ、さすがに最近『死ね』は減ってきたようだ。うるさ型の目を意識しているのかはわからないが、これが存外にいい効果をもたらしている。ツッコミの言葉にバリエーションが増えてきたのだ。

 『ホームステイ先で嫌われて』『神社でふざけて罰当たって』『おにぎり追いかけて谷底落ちて』『砂漠でラクダに逃げられて』――。とても漫才のツッコミとは思えない言葉の数々。新しいツッコミを聞くたびに、そうくるかと感心させられる。これを勢いよく上から言うのではなく、お願いだから○○してくれ、という形で嘆くのがザ・パンチ流。このツッコミが彼らの肝であり、ブレイクの要因だ。

 もちろん漫才はツッコミだけでは成立しない。斬新なツッコミとつりあいの取れるボケがあるからこそ、パンチのネタはおもしろいのだ。

 コンビ名の由来ともなっているパンチパーマに紫色の衣装と、残念な風貌のボケ・浜崎。それが得意気に格好いいことをしようとして松尾につっこまれるという流れでパンチのネタは進む。この浜崎のボケが絶妙にグダグダで、ひょっとしたらネタではなく素なのではないかと思わせるほど。あの気の毒なツッコミの数々が本当にふさわしいのだ。ザ・パンチはツッコミ、ボケ、双方に違うベクトルの哀愁が漂っている。

 M-1での懸念は見る側が1分程度のショートネタに慣れきっていること。M-1の持ち時間は4分、おなじみのネタの3~4本分にもなる。これをいかに飽きさせず、最後までもたせるかが課題のように思う。ザ・パンチにとっては今年が泣いても笑っても最後のM-1。来年以降の活躍を占う意味でも、嘆くのは舞台の上だけとなるよう祈る。

(編集部 三浦ヨーコ)

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