ある法廷で再生された音声は、2020年に死亡した男性の遺言書が読み上げられた時の激しい怒鳴り合いの様子だった。相続分として、1人につきわずか現金50ポンド(約9,500円)が入った封筒を手渡されただけの故人の孫娘5人は、それを不服とし、遺言無効を求める訴訟を起こしていたが、このほど数年にわたる遺産相続バトルに判決が出た。英ニュースメディア『The Sun』『Daily Mail Online』などが報じている。
英ロンドン西部に位置するイーリング地区のウィロー通りに住んでいたフレデリック・ワォード・シニアさん(Frederick Ward Senior)は、2020年2月17日に91歳の大往生を遂げた。フレデリック・シニアさんには、45万ポンド(約8,555万円)のメゾネットを含む50万ポンド(約9,500万円)の財産があり、これを子ども3人で分けるよう遺言書を2011年8月3日に作成していた。
ところが、長男のフレデリック・ジュニアさん(Frederick Ward Junior)が2015年9月8日に死亡し、2018年に遺言書が書き直されることとなった。
報道によると、フレデリック・ジュニアさんの娘5人は父親の死後、親族と不仲になり、祖父のフレデリック・シニアさんとあまり会うことはなかったという。
また、フレデリック・シニアさんは生前「肺の病気で3回入院したが、フレデリック・ジュニアの子供たちに面会してもらえなかったことに、気分を害した」と法定代理人に語っていたそうだ。
孫たちが頻繁に会いに来てくれなかったことに“傷つき”、“失望した”祖父は、遺留分を存命の子であるテレンス・ウォードさん(Terence Ward)とスーザン・ウィルトシャーさん(Susan Wiltshire)の2人に等分に残すという内容の遺言書に変更した。これには、孫たちへ50ポンドずつの遺産を渡すことも指示されていた。
遺言書公開時にそれを知ったキャロル・ゴーイングさん(Carol Gowing)、アンジェラ・サン・マルセイユさん(Angela St Marseille)、アマンダ・ヒギンボザムさん(Amanda Higginbotham)、クリスティン・ウォードさん(Christine Ward)、そしてジャネット・ペットさん(Janet Pett)は、生きていたなら父フレデリック・ジュニアさんが受け取るはずだった3分の1は、孫である自分たち5姉妹が相続するべきだとし、