重篤な病気を抱える人の中には、藁にもすがる思いで民間療法を受ける人もいる。イギリスに住む糖尿病に苦しんでいた女性は2016年、血液中の毒素を平手打ちによって排出するという民間療法を受けたものの、その治療中に亡くなった。当時、このワークショップを開催した男がこのほど起訴されたことを米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。
英ウィルトシャー郡のウィルトシャー警察は現地時間11月30日、米カリフォルニア州クラウド・ブレイク在住のシャオ・ホンチ(Xiao HongChi、60)を、犯罪人の引渡しの請求により訪問中のオーストラリアからイギリスに入国後にゲイブルクロス拘置所へ連行して起訴したことを発表した。
シャオは2016年10月20日に英ウィルトシャー郡にあるイベント会場「クリーブ・ハウス」で「平手打ち療法」のワークショップを開催し、その最中に当時71歳のダニエル・カー=ゴムさん(Danielle Carr-Gomm)を死亡させたとして重過失致死傷罪で起訴された。
亡くなったダニエルさんは当時、1型糖尿病を患っていた。彼女は毎日インスリン注射をする必要があったが、注射針に対する恐怖が大きく、いつも苦労していたという。ダニエルさんは、代わりの治療法や自然治癒力を高めると言われるホリスティック治療について熱心に調べていたそうだ。
そんな中でダニエルさんは、シャオが主催するワークショップの「パイダ・ラジン療法(paida lajin therapy)」と呼ばれる「平手打ち療法」のワークショップに参加することにした。実はそれ以前の2016年7月にブルガリアで行われたシャオのワークショップにダニエルさんは参加しており、当時の彼女のブログには、平手打ち療法を受けて身体の広範囲が痣だらけになって毒素が出たと感じたことや、2日間インスリン注射を打たずにいたところ血糖値が急上昇し、インスリン注射を再開したことなどを明かしていた。また、今後のワークショップにも参加して病気が完全に良くなることを願っているとも綴っていたそうだ。そこでダニエルさんは、