豪ビクトリア州の川沿いで愛犬たちと散歩していた男性が、野生のカンガルーに遭遇した。そのカンガルーは男性の愛犬の1匹を、溺れさせるように水の中で押さえつけていたという。男性は体長2メートルもある体格の良いカンガルーと対峙して、愛犬をなんとか取り戻した。豪ニュースメディア『7NEWS Australia』などが、当時の緊迫した様子を伝えている。

豪ビクトリア州ミルデューラ在住のミック・マローニーさん（Mick Moloney）は先日、愛犬たちとともに近くにあるマレー川沿いを散歩した。ところが愛犬の1匹“ハッチー（Hutchy）”の姿が見当たらないことに気付いた。

「いつもなら愛犬たちは川の水に浸かったりして楽しんでいるのですが、その日はやけに静かで、水に入ろうとする様子がなかったんです」と、ミックさんは違和感があった当時を振り返る。

胸騒ぎを覚えたミックさんが周囲を見渡してハッチーの姿を探すと、愛犬たちの奇妙な行動の理由と同時に、ハッチーの居場所が明らかになった。

「川の中にカンガルーが立っていて、両手を水の中につけたまま私の方をじっと見つめていました。そうしたらハッチーが水の中から顔を出したんです。苦しそうに息をして口から大量の水をこぼし、悲鳴を上げるように吠えていました。『冗談だろう』と思いましたよ。」

ミックさんが遭遇したこの状況から、ハッチーは川で泳いでいる時に野生のカンガルーに捕まってしまい、溺れさせられそうになったようだ。基本的に地上で生活しているカンガルーだが、実は泳ぎが得意で、捕食者などの敵に追われた際には水の中に入り、相手を溺れさせることもあるという。

こうしたカンガルーの特性から、ハッチーが溺死させられそうになった可能性は非常に高い。当初、ミックさんはカンガルーに近づかずに追い払おうとしたが上手くいかなかった。そのカンガルーは体長2メートルはあったと、ミックさんは振り返っている。

それでもハッチーを救い出すため、