このほど南米ペルーから、愛犬を連れて学校に通う少年の心温まる話題が届いた。少年は自分が学校に行っている間、犬がひとりぼっちになってしまうことを懸念して担任の教師にあるお願いをしたそうだ。そんな少年のお願いに教師は心を打たれたという。動物専門ニュースサイト『The Dodo』などが伝えているが、テックインサイト編集部でもこの担任教師に直接話をうかがった。
ペルー中部の都市、ワヌコ県にある小学校で教師をしているアリ・ボニーヤ・エステバンさん(Ali Bonilla Esteban)が、今月13日にTikTokに投稿した動画が多くの人々の心を切なくさせた。動画にはアリさんが受け持つクラスの生徒であるロペス君(Lopez)が、教室で小型犬を抱きかかえながら勉強する姿があった。
シーズーとみられるメス犬は「小さい」を意味する“ペケーニャ(Pequeña)”という名前でロペス君が飼っている犬だった。ところが最近、アリさんはロペス君から緊張した面持ちで「ペケーニャを学校に連れて来てもいいですか?」とお願いされたという。どうやらロペス君の家庭では両親の不仲による問題が生じたようだ。
そのためロペス君が学校にいる間、自宅でペケーニャの世話をする人が不在となり、彼はペケーニャがひとりぼっちでいると思うと悲しくて居ても立っても居られなかったという。そんなロペス君の心情を知ったアリさんは、ためらうことなく「いつでも好きな時にペケーニャを学校に連れてきてもいいわよ」と彼のお願いを全面的に受け入れた。
動画には、ペケーニャを膝の上に乗せて教室の机に向かって授業を受けるロペス君の姿がある。彼はペケーニャが膝からずり落ちそうになると抱きかかえ直して再びノートを取り始めていた。アリさんは動物専門ニュースサイト『The Dodo』のインタビューに応じ、このように語っている。
「彼は少し緊張した面持ちで『ペケーニャと一緒に学校に来てもいいですか?』と尋ねてきました。私は即承諾しました。私は彼が心から愛している友人と一緒にいて安心できるようにサポートしたかったのです。」
そんなロペス君の姿を目にした人たちからは「なんて献身的な愛だろう」「とっても行儀の良い犬だね。見てて涙が出たよ」といった声が寄せられ、多くの人々の胸を熱くしたようだ。またアリさんは動画の中で、ロペス君が家庭問題で苦労している最中にもかかわらず、ペケーニャを思いやりながらも一生懸命勉強する姿を応援しており、彼のお願いを受け入れたことで教師として幸せを感じていると明かしていた。
その後、ロペス君は毎日のようにペケーニャと一緒に学校に通っているそうだが、アリさんによるとこれはクラスにとっても良い影響が出ているという。ロペス君とペケーニャの友情は