体中に過剰な体毛が生える「狼男症候群(多毛症)」を患う女児(2)が、あることをきっかけに注目を集めた。女児の父親はその出来事を喜びつつも、娘の病気についてつらい胸のうちを語っている。女児は顔の毛が特に濃く、これまで「動物の子」などと揶揄されてきたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
マレーシア、ボルネオ島の町ビントゥルに住むアディク・ミスクライアンちゃん(Adik Missclyen、2)は、体毛が異常に多い先天性疾患「多毛症」を患っている。これは「狼男症候群」と呼ばれ、遺伝子の突然変異が原因の一つとも言われるが、症例数が少なく治療法は見つかっていない。
アディクちゃんの父ローランド・ジンバイさん(Roland Jimbai、47)と母テレサ・グンティンさん(Theresa Guntin、28)は多毛症ではないが、アディクちゃんは生まれた時から全身にうっすらした体毛が生えていたそうで、今では顔全体が毛で覆われている。
両親はこれまで、娘の外見が普通とは違うことで全く見知らぬ人からジロジロ見られたり、心無い言葉をかけられたりすることが度々あったそうで、ローランドさんはこのようにつらい胸のうちを明かした。
「娘と一緒に外出すると奇異の目で見られたり、『動物の子』と言う人もいてね。最初の頃は傷つき、かなりのストレスを感じていた。それで落ち込んでしまってね。次第に公の場に娘を連れて行くことを避けるようになったんだ。娘に対して人がなんて言ってくるのか、いつもびくびくしていたよ。」
ところがそんなローランドさん一家に今月11日、思いがけない幸運が訪れた。一家は、ボルネオ島を訪れたマレーシアのアブドゥラ国王とトゥンク・アジザ・アミナ王妃を一目見ようと列に並んでいたところ、