
以下のような仮説を述べた。
「映像に鳥の群れの全体が映っていたわけではないが、鳥たちが致死性の化学物質の中を飛行した可能性がある」
「それを確かめるには、鳥たちを解剖する必要があるだろう」
「もしくは捕食者(の攻撃によって)鳥たちが必死に逃げ惑った可能性もある」
また英国生態・水文センターの生態学者であるリチャード・ブロートン博士(Richard Broughton)は「映像に猛禽類は見えなかったものの、肉食性の鳥が原因であると99%確信している」と以下のように見解を述べている。
「ムクドリモドキは『マーマレーション』と呼ばれる密集した群れを作って旋回し、ハヤブサがターゲットを選べないように混乱させようとします」
「これに対抗するためにハヤブサは鳥の群れにまっすぐ飛び込んで標的を分離するのです」
「(映像は)マーマレーションを組んだムクドリの群れをハヤブサやタカのような猛禽類が追いかけているように見えます。彼らが群れを低空に追いこんだため、ムクドリの群れは墜落したのでしょう」
「映像を見ると、上から洗い流されたかのように、初めに群れが波のような動きをしているのが分かります」
さらにマンチェスターメトロポリタン大学で保全生物学の上級講師を務めるアレクサンダーリーズ博士も、リチャード博士の見解に対しこのように賛同を示した。
「毒性学に触れず、この一つの映像から私の分野で申しあげるならば、捕食しようとする猛禽類を避けてマーマレーションを組んだムクドリたちが、地面に激突したというのが最も可能性として高いでしょう」
「環境汚染物質を非難するお決まりの声も見られますが、群れの下部を形成する鳥たちが(地面に)衝突するのは非常に一般的なことです」
「密集した群れの中で、鳥は周囲を広く見渡すのではなく、前の鳥の動きを追って飛行しています。そのため、このような出来事もたまに起こり得るのです」
画像は『The Guardian 2022年2月14日付「Why did birds fall from sky in Mexico? Probably a predator, experts say」』『CNN International 2022年2月19日付「A predator could have sent hundreds of blackbirds crashing to their death in Mexico」(REUTERS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)