いくら食べても満足できず常に空腹状態で、考えることは食べ物のことばかり…。約10000人~15000人に1人の割合で発症すると言われる難病「プラダー・ウィリ症候群」を患う23歳の女性の両親が、『Truly』などのインタビューに応じた。
米コネチカット州に住むカミール・グランディさん(Camille Grundy、23)は、先天性の難病「プラダー・ウィリ症候群、以下PWS」を患っている。
PWSは新生児期から筋緊張低下や哺乳障害が現れ、幼児期になると過食や肥満、発達遅延、低身長、性腺機能不全などの症状がみられる。また加齢とともにかんしゃくを起こしたり、性格や行動に異常が現れ、基礎代謝や運動能力が低いことから糖尿病、睡眠時無呼吸、高血圧、動脈硬化等の症状を引き起こす。
カミールさんの場合、誕生直後から力が弱く、母乳を上手く飲むことができず、生後3か月の時に遺伝子診断でPWSと判明した。
父ラリーさん(Larry)によると、カミールさんはいつもお腹を空かせており、5歳になるとゴミをあさるようになったという。
ラリーさんは「娘はいつも空腹ですが、一日の摂取は1000~1200キロカロリーに制限されています。きっと食べ物を置いたまま娘を1人にしたら、死ぬまで食べ続けるでしょうね。だから私たち家族がコントロールする必要があるのです」と語り、キッチン入り口には警報アラームをつけて施錠し、キャビネットには南京錠を取りつけてあることを明かした。
「娘の症状は、親指をハンマーで思い切り叩いた後で、自分に『痛みを感じるな』と言い聞かせているのと同じだと思うのです。あの子はいつも空腹で、それを感じるなというほうが無理なのです」と語るラリーさん。カミールさんの食べ物に対する執着はかなりのもので、母キムさん(Kim)、兄コーディさん(Cody)、弟キャヴァンさん(Cavan)ら家族は“ステルス(他人に気付かれないようにこっそり行う)忍者”と呼んでいるという。
そんなカミールさんに「いつも何を考えているの?」と質問すると、間髪を入れず「食べ物」と返答するそうで、