監視カメラもない場所にポールに繋がれて捨てられた骨と皮ばかりの犬は、近づいてきた人間になけなしの力を振り絞って前足を差し出した。健気な犬の姿はカメラが捉えており、『The Dodo』『WPLG Local 10』などが伝えて拡散している。
米フロリダ州南部ブロワード郡ポンパノビーチの袋小路で今月6日、ポールに繋がれている2頭の犬が発見された。
その日の気温は摂氏37.7度(華氏100度)にまで上昇しており、通報を受けたブロワード郡保安官事務所の保安官代理アンジェラ・ローレラさん(Angela Laurella)は取る物も取り敢えず現場に直行した。
現場でアンジェラさんの目に飛び込んできたのは、痩せ細り骨が浮き出た1頭の犬で、ほとんど動きがとれないほど短いリードでポールに繋がれていた。この時の様子は動画に収められており、アンジェラさんが声を駆けながら近づくとその犬はゆっくりと起き上がり右前足を差し出した。
アンジェラさんは「オーマイグッドネス(なんてことなの!)」と優しく声をかけながら腰を下ろすと、その犬が出した右足を手に取る。犬は身体を動かすのもやっとの状態だが、一度その右足を下ろすと「足をちょうだいよ(お手)」と手を出したアンジェラさんに、まるで全ての力を振り絞るかのようにゆっくりと右足を出した。
それはまるで「お願いだから僕をここから助け出してくれよ」とでも言っているかのようで、その後再び右足を下ろすと力尽きたかのようにうなだれた。アンジェラさんは衰弱しきった犬に声をかけ続け、優しく頭を撫でている。
後に“リアム(Liam)”と名付けられたその犬はアメリカンブリーのスタンダードよりサイズが一回り小さいポケットブリーで、