食肉牛を育てる農場にて、未熟な状態で1匹の子牛が生まれた。自力で立つこともできず殺されてしまう運命にあったが、この姿に心を動かされたある女性が手を差し伸べ、自宅でペットとして育てることにした。今では体重700キロ以上と立派に成長した牛は、子牛の頃と変わらず、大きな体で女性に甘えているという。『Mirror』などが伝えた。
英北部ハイランド地方に住むハイディ・ロスさん(Heidi Ross、42)は3年前、働いていた食肉牛を育てる農場で生まれたショートホーンという種類の子牛を世話していた。この子牛は出産予定日より1か月早く誕生したことに加え、母牛の母乳の出が悪かったことも影響して発育不良も見られたという。
そのためハイディさんは、この子牛にミルクを与えて育てていた。しかしある日、立つこともままならなかった子牛が、堆肥の山に顔を突っ込むようにして倒れている姿を発見した。呼吸もできずにいたこの子牛を、農場のマネージャーは屠殺場に送ろうと考えていたそうだ。
今まで世話をしてきたこともあり、強く心を動かされたハイディさんはマネージャーに「殺してしまうのなら、自分のお金でこの子牛を買わせてほしい」と懇願したという。
そして自宅に連れ帰って“ソア(Thor)”と名付けたハイディさんは「今までモルモット以上の大きさの動物を飼ったことがなかったので、大きな子犬のようだったソアを引き取ることは、私にとって大きな決断となりました」と当時を振り返る。
不安を抱えながらも懸命に世話を続けた結果、