梅雨の時期になると気になるのがカビだが、イギリスのある女性は3年前に見つけたカビに室内を侵食されてしまったという。退去することもできずカビだらけの家で過ごす女性が、『Mirror』『The Sun』などのインタビューに応じた。
英ウォリントンに住むルイーズ・デリックさん(Louise Derrick)は数年前、10代の頃の壮絶な経験により心的外傷後ストレス障害(PTSD)と機能性神経障害(FND)と診断され、仕事を辞めて1ベッドルームの公営アパートに移り住んだ。FNDとは心的葛藤によって無意識のうちに様々な身体的症状が生じる病気で、ルイーズさんは身体を動かすことが辛くなり、非てんかん性の発作に悩まされるようになった。
そんなルイーズさんが、狭いアパートの居間やバスルームの窓にカビが生えていることに気付いたのは3年前のことで、同地区で公営住宅を管理する民間の非営利団体「サットン住宅協会(Sutton Housing Partnership、以下SHP)」に苦情を申し立てた。しかし何の対策も取られぬまま時間ばかりが過ぎ、カビはルイーズさんの部屋だけでなくベッドやソファー、そのほかの所有物を覆い始めた。そして2年前、ルイーズさん自身もカビが原因と思われる慢性ぜんそくを発症した。
ルイーズさんは、カビに侵食されてしまってからの自身の健康状態や、危険なアナフィラキシー反応について次のように語った。
「カビが繁殖してからというもの、気が滅入って仕方ありません。お気に入りの家具だけは守ろうと自分で部屋を掃除しようとしたのですが、目や喉が腫れ、視界が狭まって呼吸が苦しくなりました。そのうち瞼の裏や口の中まで腫れ上がり、顔や身体は熱傷したかのような水ぶくれができました。身体は痛いし、回復に4週間もかかり、皮膚には今でも傷痕が残っています。」
「それだけはありません。ある時は強いアナフィラキシーショックで生死の境をさまよい、脚にアドレナリンの注射を3度も打たなければならなかったのです。顔は腫れ、まるで酸をかけられた被害者のように爛れました。そんな状態ですから、今ではステロイドの服用が欠かせません。」
SHPは「2019年からルイーズさんと連絡を取り、状況については把握していた」と主張しているが、