小さな命はその短すぎる生涯を終えた。ロランさんは今回の経験を次のように語っている。
「この子と少しでも一緒にいられたことを嬉しく思っていますが、本当にあの時は苦しい思いをしました。息子は典型的なエドワーズ症候群だったため『生まれる前、もしくは生まれた直後には亡くなってしまうだろう』と言われました。でも私の息子はライオンのような強い心臓を持っていたのです。」
「中絶を決断した時に、なんという苦しい思いをする選択をしたんだろうと思っていましたが、今はその10倍も辛く感じます。そして同じようなことを他の母親には味わって欲しくないのです。」
「私は息子の心拍数が徐々に遅くなり、命の灯火が消えるのを目の当たりにしなければなりませんでした。我が子を生かしておきたいと思う気持ちは当然のことです。あれはまさに私にとっては拷問のようでした。」
「陣痛を起こす前に、胎児の心拍数を病院では確認しなかったのです。あの時、ぜひ確認して欲しかった。その結果、どんなに心が傷ついたのか言葉では言い表せません。」
「医師の誰もがこの子が生きて誕生するとは思っていませんでした。スコットが生まれた息子を抱き上げた時に『心臓が動いている』と言ったんですが、医師は『それはあり得ない』と驚いていました。」
「医師からは『薬を飲んだ後は胎児の心臓が止まる』と言われていたので、私も息子がお腹の中で亡くなっているものと思っていたんです。本当に心から陣痛の前に心拍数を確認して欲しかったと悔やんでなりません。」
ロランさんとスコットさんは亡くなった息子を自宅に連れて帰り、葬儀の準備をすることにしたそうだ。そんなロランさんは、メディアのインタビューにこのように述べている。
「どうやって頭の整理をつけたらいいのか分かりません。エドワーズ症候群で40歳まで生き延びた人の話を聞いたことがあります。キヨブルーはとても強い子だったんです。心臓はとても力強く動いていて、もしかしたら生き延びていたのかも…と思うのです。」
「もしキヨブルーが生きて誕生すると知っていたなら、おそらく違う決断をしていたことでしょう。当時の私は正しい決断だと思ったのですが、今となっては間違いだったと感じています。だって息子はとても普通に見えたのですから…。」
画像は『Mirror 2021年5月11日付「Mum devastated after tiny baby born alive after abortion lived for 10 hours」(Image: Loran Denison / SWNS.COM)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)