このほどカンボジアのプノンペンにて行われた自転車レースに参加した少年が、人生の大きな転機を迎えた。壊れかけた自転車に裸足で跨り、不屈の精神で奮闘する少年の姿に多くの人が心を打たれたという。『ASEAN Digest』『Indiatimes.com』などが伝えている。
カンボジアのプノンペン、プレックリープで11月8日に自転車レースが開催されたが、15歳以下の部にて1人の少年が大きな注目を集めた。
その少年、ペッシュ・テアラ君(Pech Theara、13)は5人兄弟の末っ子で、父親は建設業、母親は病気で寝込みがちな貧困家庭に生まれた。テアラ君は自転車レースに、ゴミ山から回収され5ドル(約520円)で売られていたボロボロの錆びついた自転車で飛び入り参加した。
他の参加者がヘルメットやプロテクター、新品同様の自転車でレースに臨む中、テアラ君が身につけていたのは衣服とサンダルのみ。しかも「コントロールの邪魔になるから」とそれを脱ぎ捨て、ついには裸足になっていた。
完璧な装備の参加者の中で、テアラ君に勝ち目はほぼない。しかしテアラ君は諦めることなく、途中で自転車のチェーンが外れようともペダルを必死にこぎ続け、ゴールまで力いっぱい走り切ったのだ。
レース後、テアラ君はこのように話している。
「周りの人が綺麗な自転車に乗り、装備を身につけていることは分かっていたよ。でも僕はレースに参加したくて、勝つために頑張り切ったので、悔しくも恥ずかしくもありません。」
結果は残念ながら6位と入賞にはならなかったものの、