南アフリカのリンポポ州ホエドスプルートで今月26日、自然保護活動家のウエスト・マシューソンさん(West Mathewson、69)が手塩にかけて育ててきた5歳のメスの白ライオンに襲われた。ライオンは180キロはあり、ウエストさんは現場で死亡が確認された。『The Guardian』『Mirror』などが伝えた。
事故が起きたのは、ウエスト・マシューソンさんが所有するプライベート自然保護区「ライオン・ツリー・トップ・ロッジ(Lion Tree Top Lodge)」で、ウエストさんは2頭の白ライオン“タナー(Tanner)”“デミ(Demi)”と一緒に散歩をしていたところだった。襲われたウエストさんの後ろでは妻のジルさん(Gill、65)が車を運転しており、ジルさんは何とかライオンの気を散らそうとしたものの暴走を止めることはできなかった。
『Mirror』によると、ウエストさんは散歩中に2頭と格闘ごっこをしていたそうで、そのうち1頭が本気になった可能性が高いという。現場にはすぐに救急隊や警察が駆けつけたが、ウエストさんは身体の複数個所に致命傷を負い、その場で死亡が確認された。
2頭はまだ生後1週間の頃にウエストさんがライオンを繁殖する「ライオン・ファーム」から買い取り、哺乳瓶でミルクを飲ませて育てた。ウエストさんは2頭と一緒に一日2回、3~4時間の散歩を日課とし、時にはロッジにステイするゲストを招いて歩くこともあったようだ。
南アフリカでは娯楽のために狩猟をし、射止めた獲物を剥製や毛皮にして持ち帰る「トロフィーハンティング」が盛んで、過酷な環境下でのライオンの繁殖・飼育が行われている。ライオン・ファームで生まれたライオンはまず、観光客との触れ合いの場で金儲けのために使われる。そして成長するとフェンスに囲まれた敷地内に放たれ、高いお金を払ってやって来たハンターたちの餌食となる。これは「キャンド・ハンティング」と呼ばれ、