モルモン教会の分派で一夫多妻制を掲げる「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day Saints、FLDS)」のリーダー、ウォレン・ジェフス(64)に、12歳と15歳の少女への性的暴行罪などで終身刑と禁固20年の判決が下ったのは2011年のことだった。ウォレンは2004年、FLDSを脱退した元信者から訴えを起こされ、2006年に未成年者との結婚を強要したとしてFBIの「10大重要指名手配犯」となり逮捕、起訴されていた。そんなウォレンの65番目の妻で7年前にFLDSを脱退した女性が、ウォレンやFLDSについて語った。
現在服役中のウォレン・ジェフスは、妻50人、子供約80人の父だったルーロン・ジェフスが亡くなった2002年に46歳で父の跡を継ぎ、FLDSのリーダーとなった。逮捕される前のウォレンには79人の妻、65人以上の子供がいたと言われており、米ユタ州とアリゾナ州をベースにFLDSの信者を集め共同生活させていた。
ウォレンは施設内でのテレビやインターネットを禁止し、子供が遊ぶおもちゃ、女性が着る服や髪型を指定するなど厳しい規制を設けて信者を洗脳した。また「できるだけ多くの子供を産むことこそ女性の幸せ」と謳い、全ての信者の結婚相手はウォレンによって決められた。施設内はほとんどが自給自足で、子供たちは幼いうちから労働力として駆り出され、読み書きができないこともあったようだ。
そんなウォレンの65番目の妻となり、2013年にFLDSを脱退したブリエール・デッカーさん(Briell Decker、34)が、英メディア『Mirror』のインタビューに応じた。
ブリエールさんがウォレンと結婚したのは2004年、18歳の時だった。ルーロンの妻だったブリエールさんの姉は、ルーロンが亡くなってからはウォレンの妻になっており、姉妹で同じ夫を持つことになったブリエールさんのショックは大きかった。ブリエールさんは「小さい頃から、ウォレンに目をかけられているのは分かっていたわ。周りから『ウォレンの妻になるのも時間の問題よ』と言われ、悪夢を見ることもあったの。父に結婚式を執り行うことを告げられた時は拒絶したけど、ウォレンからの指示は絶対だった」と当時を振り返り、