1994年以来、頭部に果物ナイフの刃の部分を放置したままにしていた中国の76歳の男性が、今月2日にナイフの摘出手術を受けた。男性は順調に回復しており「二度目の人生を与えられた」と大変喜んでいるという。『Metro』『UNILAD』などが伝えている。
青海省海北チベット族自治州海晏県在住の多杰さん(仮名)は今から26年前、強盗に襲われて刃渡り約10センチの果物ナイフで頭部を刺された。意識を失った多杰さんは事件直後、地元の病院で傷口の手当を受けたものの、施設は貧弱で頭部にあるナイフの刃が発見されることはなかった。その後2012年、多杰さんは激しい頭痛を訴えて再び病院を受診。地元の医師は頭部のナイフを発見するも「摘出すると命の危険がある」と主張し、刃はそのまま放置された。
しかし最近になって、山東省済南市にある第一医科大学第一附属医院(山東省千佛山医院)の医師らが、多杰さんが住む青海省の医療施設のツアーを行った。これがきっかけで医師らは、多杰さんに約1700キロ離れた同病院で手術をすることを申し出、手術の日程が決まった。
第一医科大学第一附属医院の医師は、多杰さんの症状について次のように述べている。
「多杰さんは痛み止めだけを処方されていたようですが、目に見えて症状は悪化していったようです。私たちが診察した時は右目の視力低下、左手足の麻痺などの神経症状が現れていました。ただ26年も頭部にナイフを放置したまま生きていたことは奇跡的です。」