イスラエル在住の60歳女性がわさびをアボカドディップと間違えて大量に食べ、「たこつぼ心筋症」を発症していたことが症例報告専用オンライン・データベース『BMJ Case Reports』で明らかにされた。同疾患の女性の発症率は男性の約7倍で、閉経後の高齢者に多く見られるのが特徴だが、わさびのようなスパイスの摂取による発症は初のケースで注目を集めている。
精神的、身体的ストレスにより誘発されるといわれ、震災後に発症数の増加が報告されている「たこつぼ心筋症」は、何の前触れもなしに、胸痛、胸の圧迫感、息切れなどの症状が現れる。1990年に日本で初めて報告されており、心臓の形がたこ漁で使われる‟たこつぼ”のような形に見えることが名前の由来だそうだ。また、身内の死や虐待、大病の診断などが原因で起こることもあることから「ブロークンハート症候群」とも呼ばれている。
9月初旬の『BMJ Case Reports』の報告で、結婚披露宴に出席したイスラエルの60歳の女性が、スプーン山盛り1杯のわさびをアボカドだと思って食べた後、たこつぼ心筋症を発症していたことが明らかにされた。イスラエル南部ベエルシェバにあるソロカ・メディカルセンターの医師によると、女性はわさびを食べた後に突然胸の圧迫感に襲われ、胸部と腕の痛みが数時間続いたようだ。
女性は翌日、体調不良や全身倦怠感を訴えて医師の診察を受けた。『IIFLScience』によると医師は当初、