海外発!Breaking News

writer : ac

【海外発!Breaking News】18年前に誘拐された男性 「老け顔化」させるAI技術で両親と再会(中国)

息子を捜し出すことはできなかった。捜査にあたったチャン・ヂェンハイ氏(Zheng Zhenhai)はこの事件について、次のように述べている。

「すぐに捜査を開始しましたが、当時のテクノロジーでは限界がありました。監視カメラの映像も全てチェックしましたが、人の出入りが多すぎて捜査に進展はなかったのです。しかし私たちは決して諦めることはありませんでした。テンセントのAIテクノロジーを駆使することで、18年後のウェイフォンさんの顔写真を作成することが可能になり、捜査は急展開を迎えました。ウェイフォンさんを18年間育てた養父母は、彼にリーという名前を付けていました。」

「ウェイフォンさんは広東省広州市在住の学生ですが、自分が誘拐されたという事実を信じようとはしなかったのです。しかしDNA鑑定が決定的な証拠となりました。」

シンチュアンさんはウェイフォンさんと感動の再会を果たした席で、養父母に「18年間息子を育ててくれて感謝しています。これから息子には2人の父親が、私には兄弟ができるのです」と語っていたものの、養父母がどのような経緯でウェイフォンさんを育てることになったのかは明らかにされていない。福田区警察は2001年の誘拐事件に養父母が関わっていたのか、組織的な誘拐だったのかなどについて引き続き調査を進めているが、今のところ逮捕者は出ていないという。

ある日突然、我が子と引き離されてしまう親の悲しみは想像を絶するものがある。中国で毎年誘拐される子供の数は7万人、行方不明になる子供は20万人とも言われ社会問題化している。中国には大規模な犯罪組織が存在し、誘拐された子供たちは受け取れる年金や医療保険が少ない農村部に売られていくことが多いという。また労働の担い手や跡継ぎとなる男児は女児よりも重宝され、100万円以上で売買されるようだ。

ちなみに2017年には、23年間行方不明の娘を捜すためタクシー運転手になった中国の父親が話題になった。彼が手にしていたのは3歳当時の娘の写真だった。AI技術が行方不明者の捜索に使用されるケースは、今後さらに増えていくだろう。

画像は『Metro 2019年7月20日付「Missing child found 18 years after being kidnapped」(Picture: AsiaWire)』『Daily Star 2019年7月19日付「‘FaceApp AI’ technology helps reunite man kidnapped as a baby with his family」(Pic: Asia Wire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

捜索のため配られたポスターや写真(画像は『Daily Star 2019年7月19日付「‘FaceApp AI’ technology helps reunite man kidnapped as a baby with his family」(Pic: Asia Wire)』のスクリーンショット)

1 2