障害のある子供を抱えた2児のシングルマザーが、子供を遺して自らの命を絶った。然るべき機関からの適切な援助を受けることができなかった母親は、24時間介護が必要な娘への世話と生活苦に悩み、重いうつに陥っていたようだ。このほど死因審問が行われたが、娘を亡くした両親は法廷で悲しみを露わにした。『Mirror』『Manchester Evening News』などが伝えている。
英グレーター・マンチェスターのロッチデールに住むジェーン・カヴァナさん(33歳)は、19歳の時に第1子となる長女を出産した。しかし長女は自閉症を抱え、2015年には脊髄小脳変性症で24時間要介護の車椅子生活となり、ジェーンさんは協議会や保険医療機関からのサポートを得られず、次女を育てる傍ら長女の介護をフルタイムで行っていた。
同じロッチデールに住むジェーンさんの両親アイリーンさんとアラン・ファーラーさんは、娘のサポートをできる限りしていたという。当初ジェーンさんは両親の家で娘たちとともに暮らしていたが、両親の家は障害を抱える孫が暮らす生活環境には適しておらず、ジェーンさんはその後平屋に引っ越すも、3人で住むにはかなり手狭だったために再び引っ越しを強いられる羽目になった。しかしこの家も、壁にはニコチンの染みが広がり、内部も散らかった状態で、さらには階段には手すりがなく寝室は2階にあり、バスルームも不便だったりと長女に適応している住居ではなかった。そのためジェーンさんは、多忙な介護の合間を縫って自分で壁のペンキを塗り替えたり掃除をしたりしなければならなかった。
次女については子供の父親が手助けをしていたが、特別学校へ通う長女の介護は週末や夜も休みなどなく、ジェーンさんにはこの頃から相当なストレスがたまり、酒をよく飲むようになっていた。経済的にも困窮しており「このままではおかしくなる」と母のアイリーンさんに電話で訴えたこともあったようだ。ジェーンさんは2016年12月にもGP(英一般診療所)医師の診察を受け抗うつ剤を処方されて服用しており、