ロシア在住の32歳の女性はある日、左目の下の部分がポッコリと腫れていることに気付いた。彼女はセルフィーで腫れた皮膚の様子を記録したが、その後なんとも奇妙なことが起こった。その塊が顔の別の場所に移動したのだ。医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』に発表された症例をもとに、『CBS News』『Metro』など複数のメディアが伝えている。
最初の膨らみの発見から5日後、女性(名前は明らかにされず)は目の下の塊が左目の瞼の上に移動していることに気付いた。セルフィーでは、瞼の上に3つの小さな膨らみが確認できる。そして10日後、今度は上唇の左側部分が異様に腫れあがった。
移動する塊部分にかゆみと焼けるような痛みを感じることもあったため、不安になった女性は塊の発見から約2週間後に眼科医の診察を受け、思いもよらない事実を知らされた。なんと女性の左瞼の上に寄生虫が潜んでおり、皮膚下を移動していたというのだ。
女性を診察したロストフ・ナ・ドヌにあるロストフ州立医科大学の教授であるヴラッドミア・カルタシェフ(Vladimir Kartashev)医師によると、これは「ディロフィラリア・レペンス(Dirofilaria repens)」という糸状の寄生虫で、蚊を通して媒介され、犬、猫、キツネや肉食動物の皮下組織に寄生するという。人間に寄生した場合、目の近くに留まることがほとんどだが、