デルタ航空のスタッフが障がいを抱える女性を無理やり車椅子に縛り付け暴言を吐いたとして、女性の家族が同航空会社に苦情を訴えた。これに対しデルタ航空側は「できる限りベストを尽くした」と反論、両者の言い分が真っ向から食い違っているようだ。『New York Post』『WSB-TV』『Metro』などが伝えている。
今から5年前のこと、マリア・サリアガスさんは神経細胞を覆う部分に傷ができることで神経機能が低下し、脳と脊髄に障がいを生じさせる「多発性硬化症」と診断された。夫と毎年ヨーロッパ旅行へ出かけていたマリアさんは、障がいを抱えるようになっても恒例の旅行を止めたくないという気持ちから、年に一度は旅していたという。
今年もマリアさんは、4月1日に米ジョージア州アトランタからオランダのアムステルダムへ向けて夫と旅立った。しかし現地で、思わぬアクシデントが起こった。
息子のネイサンさんは、母親が現地に降り立った時に不便を感じないようにと事前にデルタ航空へアムステルダムの空港での特別な車椅子の手配をしておいた。それはマリアさんが椅子からずり落ちることなく座っていられるようにストラップが付いた特別な車椅子だった。しかしマリアさんが現地に到着した時にはその車椅子が準備されておらず、その場にあった他の車椅子を使用しなければならなかったそうだ。デルタ航空のスタッフは、車椅子に乗ったマリアさんを無理やり毛布で縛り付けたことで、マリアさんの腕の一部には痣ができてしまった。さらにマリアさんが不快感を表し泣き始めると、スタッフは「うるさい! 黙らないと置いていくぞ」と暴言を吐いたという。
4月25日、ネイサンさんは自身のFacebookアカウントでデルタ航空が母親にしたことをこのように綴り、メディアでも訴えた。
「通常、デルタ航空スタッフはストラップ付の専用車椅子を用意してくれるのです。ですが今回、デルタ航空は障がいを抱える母に暴力的な対応や言葉遣いをして、使用済みの毛布で母の腕に痣ができるほどきつく縛るのが適切な対応だと思ったようです。同航空スタッフは、母が泣き始めた時も暴言を吐きました。このように酷く思いやりに欠けた最低な対応は容認できるものではありません。障がい者に対するサービスを是非とも改善してほしいと望んでいます。」
ところがこれにデルタ航空側は反論、