日本の青木ヶ原樹海に潜入し、自殺遺体を撮影するなどして大ヒンシュクを買った世界トップYouTuberのローガン・ポールさん(22)について「この人の作る動画はハチャメチャなだけで面白くもなんともない」という記事を書かせていただいた。動画投稿で一攫千金を可能にさせるYouTube側のシステムや倫理観を問う声も多々あるなか、記者がもう1つ気になるのは、“~チャレンジ”という名のもと、こうしたサイトを通じて危険な行為が若者の間でブームになることである。イジメの被害者が強要されたり、挑戦した少年少女が重傷を負ったり命を落としたりしているためだ。2014年の夏あたりから世界にも広がった「アイス・バケツ・チャレンジ」を覚えていらっしゃる方は多いと思うが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究支援を目的という立派な大義名分もイジメとして悪用され、酔った勢いで挑戦して重いバケツが頭に落ちたり、急激な冷えで心臓がおかしくなったなどと救急車が出動する騒ぎも絶えなかったのだ。アイス~がすたれた後も「熱湯いっき飲みチャレンジ」、「ダクトテープチャレンジ」などが流行ったアメリカ。今また新たに…。
米ノースカロライナ州ローワン郡のソールズベリーに暮らすポルシア・ウォーカーさん。やるせない思いでいっぱいだという彼女は先月上旬、幼い息子が挑戦したある愚行とそれを流行らせたYouTubeに対する怒りを地元メディアにぶつけた。少年はロンダリウス・バーンドハート君(7)。YouTubeで今、手の上に火の玉を造る、炎を自由に操ってみる「ファイアー・チャレンジ」なるものが流行っていることを知り、自分たちも動画を投稿してみたいと兄弟でこっそりとそれに挑戦してしまったという。
動画で年長者たちは楽しそうに火や炎を弄んでいるが、ライターと可燃性ガスが入ったエアゾールスプレー缶を接近させて同時に使用することの危険性を7歳児はどこまで理解していたか。手に続いてはシャツでというアイデアに従い、ロンダリウス君はスプレーを自分のシャツに吹き付けてライターで点火。当然ながら悲惨な大やけどを負い、ウェイクフォレスト・バプテスト医療センターに救急搬送された。顔、腕、そして手に負った2~3度の熱傷について今なお治療を受けており、医師からは今後の皮膚移植についても説明を受けている。
ロンダリウス君の大きな叫び声に父親が気づいて何とか彼を助けたが