ジョー君を救うための選択肢が他になく、医師からのカウンセリングを受けた後もサラさんの気持ちが変わることはなかった。腎臓移植の適合検査でマッチしたことも幸いし、肝臓移植から7か月後の2017年8月、バーミンガムのクイーンエリザベス病院で摘出手術が行われ、サラさんの腎臓の1つは約6.4キロ離れたバーミンガム小児病院で待っているジョー君のもとへと届けられ、腎臓移植手術は無事成功した。
手術から5か月経った今、ジョー君は順調に回復している。最近では初めてプールで泳いだという。この先も一生投薬治療を続けていかなければならない可能性が高いとされているが、2つの臓器移植によりジョー君の人生は100%改善されたとサラさんは喜びを露わにしている。
「ジョーはとても元気になり、以前とは大違いです。息子は誕生時に心停止を起こして、脳出血もしていました。肺も潰れていました。それでもなんとか生き延びてきたのです。ここまでこられたことは、医師も奇跡だと言ってくれています。私の臓器との適合検査がマッチして本当に良かったと思っています。もし、そうでなければ私は息子を亡くしていたでしょうから…。ジョーには普通に幸せになってほしいし、その成長をこれからも見届けていきたいのです。息子はこれまで本当によく頑張ってきたと思います。だから、私も息子のためなら何だってできます。きっとどの親も我が子のことを思うなら同じことをするでしょう。」
まさに自分の身を挺してまで子供の命を救ったサラさんの行為は、やはり勇気であり愛である。ジョー君はそんなサラさんを「ママは世界一だよ!」と笑顔で語っている。このニュースを知った人からは「素晴らしい話」「子供を思えばこその愛だね」「私も子供のためにやっぱり同じことをすると思う」「母親というのは、命をかけて子供を守りたいと思うものだからね」といった声があがっている。
画像は『The Independent 2018年1月19日付「SELFLESS MOTHER DONATES TWO ORGANS TO SAVE HER SON’S LIFE」(Barcroft TV)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)