後に除去したいと思っても高額な費用と時間がかかるタトゥー。彫った後で後悔する人もいるが、欧米ではそれぞれの思い入れで特別な場所にタトゥーを刻む人は少なくない。しかしタトゥーが原因で人生に支障をきたしてしまうこともあるようだ。このほど英マンチェスター北部に住む男性が、亡き祖父への想いを込めて首に彫ったタトゥーが原因で職に就けないと英メディア『ITV』『The Sun』『Metro』などで話した。
マンチェスター北部コリーハーストに暮らすジョー・パーソンズさん(21歳)は、これまで受けた30もの面接にことごとく落ちており仕事がなかなか決まらない。その理由は「首に彫ったタトゥーが原因で差別されているから」だという。
ジョーさんは昨年11月に、亡き祖父への想いを込めて250ポンド(約37,400円)の費用をかけ、十字架に天使の青い羽根をつけた赤い心臓のタトゥーを首に大きく彫った。「十字架部分におじいちゃんの想いが現れている」とジョーさんは話しており、とても大切な思い入れがあるようだ。しかし目立ってしまいインパクトがあり過ぎて、面接に行くたびに断られてしまう結果となっている。
「周りの人は私のことを幸せでいるんだろうと感じていたと思います。でもタトゥーを入れた後は、自己中心的なやつだと見ている気がします。私は普通の人間です。ただきちんとした仕事が欲しいだけなのにタトゥーが原因で採用されないなんて屈辱だし差別です。」
首のタトゥー以外にも前腕などに3つのタトゥーがあるジョーさんは、不採用続きなのは決して自分のスキル不足が原因ではないと主張する。ハイネックのシャツを着てタトゥーを隠しても、大きなデザインゆえどうしても翼の先が見えてしまう。実はこのタトゥーを入れた時、ジョーさんはビスケット工場で働いていた。しかし母親が路上で暴漢に襲われて以来PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患うようになり、ほぼ一日中ケアとサポートが必要になってしまったために、昨年のクリスマス後に工場での仕事を辞めてしまったという。