念願の第2子を妊娠したものの分娩中に意識不明となり、心停止に陥った22歳の女性。しかも脳出血を起こし、昏睡状態から目覚めると記憶が抜け落ちて13歳の少女に戻ってしまった。彼女は記憶障害と脳へのダメージのせいで、現在は車椅子で生活している。英メディア『Mirror』や『Metro』などが伝えた。
英サウス・ウェールズのグウェントに住むシャノン・エヴェレットさん(22歳)は婚約者ヨアンさんとの間に娘ミカちゃん(3歳)がいたが、第2子を望み続けてきた。4度の流産を経験し、やっと妊娠したシャノンさんは9月29日、胎児が小さいことから予定日よりも早くロイヤル・グウェント病院へ出向いた。
母親のニコラさん(46歳)やヨアンさんと共に来院したシャノンさんを診察した医師は、すでに子宮口が2cm開いていることに気付き、出産の準備に取り掛かった。翌日の午後11時には子宮口がさらに開いたことで、シャノンさんは分娩室でいよいよ出産の時を迎えた。しかし日付が変わる前に突然容態が急変、シャノンさんの心臓が停止してしまう。意識不明に陥った彼女は、羊水が母体血中へ流入することによって肺高血圧症と呼吸循環障害を引き起こす羊水塞栓症になっていることが分かった。
赤ちゃんは鉗子を用いて無事に取りあげられ、68分の心停止後、医師らはシャノンさんの蘇生に成功した。しかし脳出血を起こしていたことで、シャノンさんは医療行為によって昏睡状態が保たれた。
ところが昏睡状態から目覚めたシャノンさんは、記憶障害を起こしていた。自分が妊娠・出産したことを全く覚えておらず、子供やヨアンさんのことまでも記憶から消えてしまっていた。さらに脳にダメージを受けたことで視力にも影響を及ぼし、ほとんど見えず動くこともままならない状態となってしまった。
シャノンさんは6週間入院しようやく退院したが、車椅子での生活を強いられており、両親が暮らす実家に戻りニコラさんが介護をしているという。シャノンさんの記憶は13歳の頃に戻っているようで、ニコラさんを「マミー」と呼び、実家の場所を尋ねると自分が13歳の時に家族で暮らしていた住所を答えるそうだ。